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シャープの「MEMS-IGZOディスプレイ」、2014年内にサンプル出荷を開始量産確立にメド(1/2 ページ)

シャープは、クアルコムの子会社ピクストロニクス(Pixtronix)と共同で開発してきた「MEMS-IGZOディスプレイ」について、量産化のメドが立ったと発表した。2014年内にもサンプル出荷を開始する予定。本格的な量産開始は2017年を見込んでいる。

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 シャープは2014年9月12日に記者説明会を開催し、次世代MEMSディスプレイ「MEMS-IGZOディスプレイ」について、量産化のメドが立ったと発表した。

 2014年内にも、タブレット端末や車載ディスプレイ向けにサンプル出荷を開始する予定だ。スマートフォン向けのサンプル出荷は2016年に開始。本格的な量産は、2017年になると見込んでいる。

 MEMSディスプレイとは、MEMS(微小電気機械システム)技術を応用したもので、RGBのバックライトLEDの上にMEMSシャッターとTFT回路基板を構成し、シャッターを1秒間に数千回と高速に開閉することでバックライトの光を透過したり遮断したりする。シャッターを開けた時だけ、バッグライトのLEDの光が直接透過するというシンプルな仕組みだ。カラーフィルタや偏光板が不要なので、液晶ディスプレイに比べて2〜3倍の高い効率でバックライトを利用でき、消費電力を低く抑えられる。バックライトのLEDの色をそのまま取り出せるので、高い色純度と色再現性も実現している。

左=7インチの「MEMS-IGZOディスプレイ」。右=MEMS-IGZOディスプレイのロードマップ(クリックで拡大)
左=MEMSディスプレイの原理。右=カラーフィルタを通さずにバックライトから直接、光を取り出せるので、高効率でバックライトを利用できる(クリックで拡大)

IGZOの利点を生かす


クアルコム 上級副社長兼ピクストロニクス社長のGreg Heinzinger氏(左)と、シャープ 専務執行役員 デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏(クリックで拡大)

 MEMS-IGZOディスプレイは、シャッターを制御するTFT回路にIGZOを利用したものだ。電子移動度が高いIGZOによって、シャッターをより高速で開閉することができ、色の再現性を向上できる。

 シャープと、クアルコムの子会社であるピクストロニクス(Pixtronix)が共同で開発を進めてきた。シャッターの基礎技術をピクストロニクスが、IGZOとディスプレイ製造技術をシャープが担当している。

 シャープは、このMEMS-IGZOディスプレイを「CEATEC JAPAN 2013」で公開している(関連記事:IGZO+MEMSでディスプレイが進化する! シャープがCEATECで「MEMSディスプレイ」展示)。この時展示したディスプレイは、7インチで解像度は1280×800画素(画素密度は220ppi)。今回の説明会で展示された開発品は、サイズ、解像度ともCEATECの出展品と同じだが、「色再現性や応答速度などがだいぶ改良されている」(シャープ)という。

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