次なる“キラーアプリ”は自動車、Bluetooth Smart:カーオーディオだけにとどまらない(2/2 ページ)
ハンズフリー通話やカーオーディオなど、自動車内においてBluetoothは既に欠かせない技術となっている。Bluetooth Smartが登場したことで、ビーコンやキーレスエントリを応用した、従来の用途にとどまらない幅広いアプリケーションを実現できる可能性が広がっている。
自動車業界における「あらゆるモノのインターネット」
自動車は、次の“コネクテッドデバイス”の1つとして考えられています。より安全で充実したドライブの実現に向けて、自動車同士、あるいは自動車と道路施設の間で情報のやり取りを行うアイデアについては、長い間、議論と模索が行われてきました。衝突を予測してブレーキを促す機能や、信号に向かってくる自動車に対して信号の情報を提供する機能については、V2V(車両間通信)、V2I(車両・インフラ間通信)の実現に向けた研究開発につながっています。
既に広範囲に採用されているBluetoothと、ますます採用が進むBluetooth Smartを自動車に採用することは、費用効果の高い接続を提供します。例えば、ビーコンは小型の無線センサーでスマートフォンのアプリにデータを送信します。Bluetooth Smartを搭載したビーコンは、コイン電池で数カ月から数年間動作する上に、小型なのであらゆる場所に設置できます。
Bluetooth Smartが実現するのは車両間通信だけではありません。何よりも大事なのは、自動車の運転や移動環境をより快適なものにすることです。自宅から車内までのシームレスなインフォテインメントの体験や、より良い車載システムの情報や、走行中のコンディションの情報、興味のある情報を提供するなど、こうした新しい用途にBluetooth Smartは欠かせない技術になると考えられます。
Bluetooth Smartが持つエネルギー効率、ユビキタス性、コストパフォーマンス、スムーズな接続は、自動車を“あらゆるモノのインターネット(Internet of Everything)”の一部として実現する重要な要素となるでしょう。
関連キーワード
Bluetooth | 自動車 | アプリケーション | スマートフォン | カーオーディオ | ハンズフリー | キラーアプリケーション | 低エネルギーBluetooth | スマートフォンアプリ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Bluetooth 4.1が切り開く新しいIoTの世界――“あらゆるモノのインターネット”
2010年に発表されたBluetooth Smartは、モノのインターネット(IoT)の担い手となった。2013年12月に策定が完了したBluetooth 4.1は、IoTをさらに一歩進め、「1対1」だけでなく「1対多数」の接続を実現している。全てのモノが常時つながる“あらゆるモノのインターネット”時代が本格的に到来しようとしている今、Bluetooth 4.1がその根幹となる技術として注目を集めている。 - Bluetooth LEでクルマが変わる? 関心高まるスマホとの連携
Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)を車載インフォテインメントシステムに導入する動きが注目されている。重いケーブルを張り巡らせる必要がなくなるれば自動車の重量を減らせる。また、歩きながらスマートフォンで自動車のキーを回すと、ドライバーの好みに合わせてシートが調節されるといった機能を実現できる可能性もある。 - Bluetoothの新用途が続々登場、2018年には対応機器が320億個に
低消費電力のBluetooth 4.0が正式に策定されてから、Bluetoothの用途は確実に広がった。2018年には、Bluetoothに対応した機器が320億個に到達すると予測されている。さらなる普及には、「モノのインターネット(IoT)」がカギになりそうだ。