半導体市場、2014年以降は緩やかに成長――IC Insightsが予測まとめ:ビジネスニュース 市場予測(2/3 ページ)
IC Insightsが2014年の秋季予測を発表した。それによれば、2014年以降の半導体市場は堅調だが大きな成長は期待できないという。ファウンドリ市場でのシェアの低下に頭を悩ます中国は、今後はファブレス企業の設立に力を入れていくとしている。
ファブレスが成長
McClean氏は、「2014年のファブレス半導体市場は、ファブレス半導体企業の売上高が約30%を占める見込みだ。ファブレス市場は年間1%ずつ成長を続けているが、当面はこの傾向が収束することはないと見ている」と述べている。
McClean氏は、「Intelは、Samsung Electronicsに差を縮められながらも、半導体業界の雄であり続ける」と予想する。中国では国内のスマートフォンメーカーが、Samsungのシェアを奪っている。しかし、「Samsungは同社が製造した半導体の多くを自社で使用しているため、売上高は実際より低く見積もられている可能性が高い」と同氏は指摘している。
2014年に最も成長した半導体企業は、現時点ではMediaTek、AMD、Marvell Technology Groupで、いずれもファブレス半導体企業だ。これら3社の後に、DRAMメーカーのMicron TechnologyとSK Hynixが続く。かつては日本最大規模の半導体メーカーだった富士通と東芝は、欧州のSTMicroelectronicsと同様に、大きく低迷している。
ファウンドリはTSMCが圧勝
ファウンドリでは、TSMCの成長率が他を圧倒した。なお、TowerJazzは、TSMCに比べると小規模のファウンドリだが成長率を大きく上げている。一方でSamsung Electronicsは、Appleがプロセッサの製造をTSMCにも製造したことで大打撃を受けている。
ここ数年、PC、携帯電話機、自動車、テレビの販売台数は中国が最も多い。ただし、中国のGDPは、10%前後が10年間続いていたが、ここ2年ほどは7%台に落ちている。McClean氏は、「今後も、ゆっくりとではあるが低下していくだろう」との見解を示している。中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は約50となっている。
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