「ウェアラブルは最も強みを生かせる分野」――ラティスCEO:腕時計にFPGAが搭載された!
ラティスセミコンダクター(Lattice Semiconductor)は、東京都内で記者説明会を開催し、ウェアラブル機器に向けた取り組みなどについて語った。シチズン時計の新型腕時計に同社のFPGAが採用されるなど、日本での事業にも弾みをつける。
シチズン「エコ・ドライブ サテライト ウエーブF100」に
ラティスセミコンダクター(Lattice Semiconductor)は2014年10月2日、東京都内で記者説明会を開催し、ウェアラブル機器に向けた取り組みなどについて語った。シチズン時計の新型腕時計に同社のFPGAが採用されるなど、日本での事業にも弾みをつける。
ラティスセミコンダクターは、回路規模や実装面積が小さく、消費電力やコストも節減できるFPGA製品にフォーカスして事業を展開している。最先端プロセスを用いて高性能、高集積のFPGA技術を追求している他のFPGAベンダーとは、製品戦略で一線を画す。
小型、低消費電力、低コストに特化
高性能で実装面積の小さいFPGA「ECP5」は、同等品に比べて40%のコスト削減を図っているという。しかも、端子配置を工夫することで、4層のプリント基板で配線可能とするなど、ボードのコスト低減も可能である。自動車の衝突防止システム向けなどで注目されているという。I/O単価を業界最低レベルに抑えた「Mach XO3L」は、外形寸法が2.5×2.5mmのWLCSP(Wafer-Level Chip-Scale Package)品などを用意している。さらに、多機能なデバイスを低消費電力かつ小型パッケージで実現可能な「iCE40 ULTRA」などを供給する。パッケージも外形寸法が1.4×1.48mmの16WLCSPから対応しているのも同社の強みとなっている。
これらの製品群をベースに、同社が注力しているのがウェアラブル機器の分野である。社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるDarin Billerbeck氏は、「ウェアラブル機器の分野は、当社が強みとする小型パッケージやローパワー、低コストの技術が最も生かせる用途である。その上、短期間で製品を市場投入できるFPGAならではの柔軟性も持ち合わせている」と話す。
人工衛星からの信号を3秒で
会見では、iCE40 FPGAが搭載されたシチズン時計の腕時計「エコ・ドライブ サテライト ウエーブF100」を紹介した。iCE40を用いたことで、人工衛星から受信したデータの中から、わずか3秒で正確な時間情報を計算できるという。シチズン時計では、「他のプロセッサに比べて高速に処理できることと、ASICに比べて開発の期間短縮とコスト削減が可能なこと、パッケージサイズが小さいこと」などを採用の理由として挙げている。
日本の売り上げ比率を2倍に
Billerbeck氏は、日本市場における戦略についても触れた。特に、産業機器や民生機器、通信機器などの用途に注力していく考えだ。「先行する大手FPGAベンダーを追従するのではなく、低消費電力や省スペース、低コストという市場のニーズに合わせた製品を提供していくことで、顧客が開発する製品の技術革新に貢献していきたい」と語った。その結果として、日本市場における売り上げ構成比を現在の10〜12%から、ほぼ2倍となる20〜25%まで高めていく予定だ。
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