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IBMが人工知能「Watson」事業部の本部を開設、世界規模で活用の推進へビッグデータの利用をさらに加速(1/2 ページ)

IBMが人工知能「Watson(ワトソン)」を専門に扱う事業部Watson Groupの本部をニューヨークに開設した。Watsonは、研究開発、教育、医療、小売業、旅行/観光業など、さまざまな分野で既に活用が進んでいるが、今後はそれがさらに加速されるだろう。

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 IBMのCEO(最高経営責任者)を務めるGinni Rometty氏は2014年10月9日、米国ニューヨーク州マンハッタンにある“シリコンアレー”に、人工知能「Watson(ワトソン)」の開発を手掛けるWatson Groupのグローバル本部を開設したと発表した。IBMは2014年1月に、コグニティブ(認知)コンピューティングの進展に向けて、Watson事業に10億米ドルを投資すると発表しているが、同本部ではこの投資金を活用して、Watson事業を推進していくという(関連記事:IBMが人工知能「Watson」の開発を加速、新事業所設立で10億ドル投資へ)。


ニューヨークのマンハッタンにある“シリコンアレー”地区に開設されたWatson Groupの本拠地

 IBMはまた、ダブリンとロンドン、メルボルン、サンパウロ、シンガポールの世界5都市にWatson Client Experience Centerを開設する計画も明らかにした。同センターでは、アプリケーションの学習アルゴリズムに超高速データスキャンを適用する方法について、Watsonに精通した研究/設計チームが革新的な研究者や企業家に専門的なアドバイスを提供する。IBMはグローバル本部の開設までの期間、来るべきコグニティブコンピューティングの時代に率先して対応するために、革新的な研究者やパートナー企業、クライアント、開発者、学者、ベンチャーキャピタリストを集結した世界的なネットワークの構築に取り組んできた。コグニティブコンピューティングの登場によって、ITは第3期を迎えるといわれている。


IBMのCEOであるGinni Rometty氏(左)と、バイスプレジデントのMike Rhodin氏 出典:Jon Simon/Feature Photo Service for IBM

 第1期は、手動計算機で表計算を行っていた1890年頃を指す。第2期は、1940年代から現在に至る、マニュアルプログラミングをベースとしたノイマン型コンピュータの時代だ。これに対し、第3期のコグニティブコンピューティングは、自己学習型マシンをベースとしている。非構造化データのビッグデータから、特定の状況で必要とされるデータを絞り込む。これによって、産業や日常生活などが変わるだろうとIBMは述べている。

 IBMは、Watsonのグローバル本部の建設に着工してからの9カ月間の間に、6大陸・25カ国以上で新たなパートナーやクライアントを獲得し、コグニティブコンピューティングにおける一定の成果を達成した。その一例として、スペインのCaixaBankと提携し、Watsonに第二言語としてスペイン語を学習させる計画がある。今後は、他の言語の習得も予定しているという。

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