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“スマートファクトリ”の実現の先導役に――TIの産業用半導体事業戦略ビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、産業システム向け半導体事業に対する取り組みを強化する。アナログICと組み込みプロセッシング製品を中心に、高いエネルギー効率や新機能を実現していくための半導体製品と、開発期間の短縮を可能とするリファレンスデザインの提供に力を入れる。

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 テキサス・インスツルメンツ(TI)は、産業システム向け半導体事業に対する取り組みを強化する。アナログICと組み込みプロセッシング製品を中心に、高いエネルギー効率や新機能を実現していくための半導体製品と、開発期間の短縮を可能とするリファレンスデザインの提供に力を入れる。

 日本TIは2014年10月、産業システム向け半導体事業に関する事業説明会を東京都内で開催した。TIは、ファクトリオートメーション(FA)やビルオートメーション(BA)、モータ駆動/制御システム、スマートグリッドといった産業システム向けに、アナログICやマイクロコントローラなどを供給してきた。これからも、全世界で進行している産業革新を支援していくために、産業システム向け半導体の新製品と技術サポートを一段と強化していく方針を示した。


TIでFA&コントロールシステム部門のゼネラルマネージャを務めるHeinz-Peter Beckemeyer氏

 TIでFA&コントロールシステム部門のゼネラルマネージャを務めるHeinz-Peter Beckemeyer氏はまず、産業システム業界の動向について触れた。欧州ではドイツ政府が推進してモノづくりの高度化を目指す戦略プロジェクト「インダストリ4.0」が注目されている。第4の産業革命とも呼ばれている中で、工場やビルなどの現場で、さらなる省エネルギーや効率化の実現に向けて、全世界で「スマートファクトリ」への取り組みが進展しているという。その結果、「新たな産業革命を可能とするソリューションを提供していく機会が増える」と話した

産業システム向け半導体市場で、シェア約8%

 調査会社の資料によれば、産業システム/機器向けの世界半導体市場は、2013年で320億米ドル規模に達している。今後も堅調に推移し、2016年には400億米ドル、2018年には450億米ドルの規模に拡大する見通しだ。Beckemeyer氏によれば、「産業システム向け半導体市場におけるTIのシェアは現在、約8%である。産業機器が多様化し、搭載する半導体デバイスのニーズも多様化/細分化されており、半導体需要は拡大している。TIにとっても事業拡大の余地は十分に残されている。日本市場にとどまらず、世界中で産業システム向け半導体事業の取り組みを強化する」と、戦略強化の狙いを語る。

「長期の製品供給」「製品仕様」「サポート体制」で差異化

 特に、産業システム向け半導体市場における、TIと他社との違いについてBeckemeyer氏は、「製品の供給期間が平均でも10年以上と長期にわたるサポートを行っていること」、「製品の動作温度範囲として−40〜125℃に対応するなど、用途に合った仕様の製品を供給していること」、「アプリケーションを熟知した技術者が顧客をサポートし、リファレンスデザインやアプリケーションノートなども充実していること」などを挙げた。


産業市場に向けたTIの取り組み (クリックで拡大) 出典:日本TI

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