ルネサス 収益改善も「これからが正念場」――さらなるリストラも示唆:2014年7〜9月業績と“通算6回目”の希望退職募集を発表(1/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2014年10月29日、2015年3月期第2四半期(2014年7〜9月)業績とともに、1800人規模の希望退職を募るリストラ策を発表した。収益改善を進める同社は、今後も生産拠点の売却などのリストラ策を模索し、一段の固定費削減を図る構えだ。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2014年10月29日、2015年3月期第2四半期(2014年7〜9月)業績を発表した。経営再建に伴う不採算事業からの撤退の影響などもあったが、自動車向けや汎用品で堅調な需要が続き売上高は前四半期(2014年4〜6月)比0.8%減とほぼフラットの2077億円を確保した。
ルネサスは同日、1800人規模の応募を想定した早期退職優遇制度の実施を発表したが、業績自体は、堅調だ(関連記事:ルネサス、1800人の追加リストラ策を発表――対象は1万4000人以上)。第2四半期の売上高は、前年同期比で4.6%の減収となったものの、不採算事業からの撤退による減収要因が多い中で、実質的には増収といえる。
最重要指標の粗利率、40%に迫る
不採算事業から撤退するなどして改善を目指している売上高総利益(GP)率については、前年同期の35.7%から39.3%へと改善した。前四半期と比較しても0.8ポイント上昇している。2015年3月期上期累計の売上高総利益率も、前年度下期より0.6ポイント上昇するなど、収益性は着実に改善した。取締役執行役員常務兼CFOの柴田英利氏は「モバイル向けLSI事業撤退に伴う研究開発投資の減少などにより、収益性の改善は堅調に進んでいる。ただ、改善のペースはスローダウンしている。ここからが正念場であり、目標である2016年度(2017年3月期)売上高総利益率45%達成に向けて気を引き締めて取り組む」とした。
営業損益は、上期末の費用集中などにより前四半期比13%減少したものの、7四半期連続黒字となる235億円の利益を確保している。
用途別半導体売上高では、自動車向け、汎用向けともに前四半期比減収となったが、事業撤退分野が少ない車載向けは、前年同期比で8.1%の増収となっている。
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