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パナソニック、中期計画を1年前倒し達成へ――10兆円企業に向け準備整うビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)

パナソニックは2014年10月31日、2014年度(2015年3月期)の業績見通しを上方修正し、中期計画で2015年達成を目指していた営業利益3500億円を、1年前倒して今年度に達成する見通しとなったと公表した。2015年度からは「成長に向けた戦略投資を行う」(社長 津賀一宏氏)と構造改革から成長戦略へ軸足を移すことを明言した。

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営業利益3500億円へ

 パナソニックは2014年10月31日、2014年度(2015年3月期)の業績見通しを上方修正し、中期計画で2015年達成を目指していた営業利益3500億円を、1年前倒して今年度に達成する見通しとなったと公表した。

 この日発表した2014年度第2四半期(2014年4〜9月)業績は、売上高こそ3兆7229億円で前年比0.4%の微増収にとどまったものの、営業利益は、前年比21%増となる1770億円を計上。「アプライアンス」「エコソリューションズ」「AVCネットワークス」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)」の全セグメントで営業増益を達成し、通期利益見通しを上方修正するに至った。修正後利益見通しは、営業利益3500億円(期初予想比400億円増)、税引き前利益1600億円(同400億円増)、純利益1750億円(同350億円増)。なお、売り上げ予測については、期初予想の7兆7500億円に据え置いた。

2014年度第2四半期(2014年4〜9月)業績概要 (クリックで拡大) 出典:パナソニック

収益性の高いものに事業がシフト


会見した社長の津賀一宏氏

 会見した社長の津賀一宏氏は利益予想を上方修正した背景について、「グローバル景気が完全に見通しが立たない中で(修正に)慎重な意見もあったが、上期(4〜9月)実績が、修正に値する水準で上振れした。前年度(2013年度)は、特別経営施策として賞与カットを行ったが、今年度は賞与カットも行わず、賃上げも行い固定費が増加した中でこうした結果が出た。その理由は、粗利率がアップし、収益性の高いものに事業がシフトしたから。(収益改善が)遅れている事業部に“遅れている”という自覚を促すという思いもあって上方修正した」と説明した。

 パナソニックは2013年3月に、当時赤字に苦しんでいたテレビ・パネル、携帯電話機、回路基板、光ドライブ、半導体の5つの課題事業をはじめとした事業の構造改革を柱にした2013年度から2015年度までの3カ年中期経営計画を策定。2015年度営業利益3500億円、キャッシュフロー6000億円(3年間累計)、営業利益率5%以上という主に3項目の数値目標を掲げた。


中期計画の概要と2014年度の位置付け (クリックで拡大) 出典:パナソニック

 今回の利益予想の上方修正により、営業利益3500億円は、中期計画よりも1年前倒しで2014年度に達成する見通しとなった。またキャッシュフローに関しては、今回の2014年第2四半期時点で達成し、2014年度末には2年累計8000億円以上となる見通しとなった。残る数値目標は、営業利益率5%以上であり、現状の2014年度業績見通しでは4.5%程度と1年前倒し達成には届かない予想となっている。ただ、津賀氏は「着実に収益改善は進んでおり、営業利益率5%の達成も視野に入ってきており、前倒しで達成できるよう今下期に取り組んでいく」と全項目での1年前倒し達成に意欲を示した。


中期計画の達成状況 (クリックで拡大) 出典:パナソニック

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