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センサーフュージョン用アルゴリズムのオープンソース化を目指す団体が発足ビジネスニュース 業界動向

Analog DevicesとFreescale Semiconductor、PNI Sensor、MEMSの業界団体であるMEMS Industry Group(MIG)は2014年11月、オープンソースのセンサーデータ処理アルゴリズムの構築を目指す団体「Accelerated Innovation Community(AIC)」を発足させた。

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 Analog DevicesとFreescale Semiconductor、PNI Sensor、MEMSの業界団体であるMEMS Industry Group(MIG)は2014年11月、オープンソースのセンサーデータ処理アルゴリズムの構築を目指す団体「Accelerated Innovation Community(AIC)」を発足させた。

 MIGでエグゼクティブディレクタを務めるKaren Lightman氏は、「エンジニアは、製品の機能を追加したり変更したりする際に、基本的なアルゴリズムを毎回、一から作り直すというようなことをすべきではない。基本アルゴリズムをオープンソースライブラリから手に入れられれば、開発パラダイムを根本的に変えられる」と述べている。

Accelerated Innovation Community(AIC)

 AIC発足のきっかけを最初に作ったのは、Freescaleだ。同社は、3軸/6軸/9軸といった多軸モーションセンサーのデータを統合するセンサーフュージョン用Cソースライブラリをはじめ、さまざまなオープンソースのアルゴリズムを提供してきた。FreescaleのIan Chen氏は、「複数のセンサーのデータを統合するセンサーフュージョンは、センサーデータ解析や動作追跡などを行うための基本要素である」とし、AICとしてセンサーフュージョンアルゴリズムの開発を目指す。

 Chen氏はセンサーフュージョンアルゴリズム開発での重要課題として、「信号からノイズを効率的に取り除くこと」を挙げる。そこでAICは、ノイズと信号を区別するために、同じイベントを監視している複数のセンサーから冗長データを取得し、より正確な情報を計算できるようにするアルゴリズムの開発を目指すとする。

 また、Chen氏は、既に利用されているセンサーのデータに対応したアルゴリズムを開発することが必要だという。しかし、既存センサーを前提にしたアルゴリズムでの標準化は、革新的な新しいアルゴリズム開発を手掛ける小規模な開発メーカーにとって大きな参入障壁になる恐れがある。そうした危惧に対し同氏は、「オープンソースコミュニティーが、そのような障壁をうまく取り除いていくだろう」と付け加えた。

 仮に開発するアルゴリズムが、センサー数の不足や性能の低さなどを補完できるようなアルゴリズムとなった場合には、消費電力やコードサイズ、コストなどに関しては妥協が必要になるだろう。MIGとAICは、そのような妥協を減らすべく、センサーパラメータに関するIEEE定義のような標準規格を策定すべく、取り組みを進めている。

 MIGでチーフストラテジーオフィサーを務めるSteve Whalley氏は、AICがさまざまな種類のアルゴリズムを提供することで、民生機器やモノのインターネット(IoT)、ウェアラブル機器、ヘルスケア機器などの分野でのセンサー応用をより活発化させたいとする。

 センサーフュージョンアルゴリズムの機能は、センサーメーカーやアルゴリズムメーカーから提供される予定だ。既にPNI Sensorが心拍や歩数などに対応したアルゴリズムを提供する方針である他、Whalley氏によると今後60日以内に、他のMIGメンバー企業からもアルゴリズムの提供を受ける見込みだという。

 Chen氏は、「基本的なアルゴリズムの独占的な所有をめぐって競争が起こると、センサー市場全体の開発/拡大スピードが根本的に制限されることになる。センサーフュージョンソフトウェアをオープンソースとして確立することにより、センサー技術をもっと簡単に利用できるようにして、センサーの応用範囲を広げていきたい」と述べている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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