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Google主導の「Thread」、対応機器は増えるのか?スマートホーム向け規格はさまざまだが……(3/4 ページ)

Google傘下のNest Labsが取り組みを推進しているホームオートメーション向けプロトコル「Thread」。Freescale Semiconductor(フリースケール・セミコンダクタ)は、そのThreadに対応する機器を開発できるキットを提供すると発表した。ZigBee、Z-Wave、Bluetooth、Appleの「HomeKit」など、ホームオートメーションを視野に入れた規格が乱立する中、フリースケールのこの動きはThread対応機器が増えるきっかけとなるのだろうか。

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メッシュへと移行するBluetooth

 Thread Groupは、Bluetoothをほとんど変化することのない標準規格だと見なす傾向にあるが、決してそうではない。Wolf氏は、「Bluetoothは、メッシュへと移行しつつある」と指摘する。

 FreescaleのNeidig氏は、ThreadとCSRmeshの相違点をいくつか挙げる。「CSRmeshは、ネットワーク内のパケットを転送するだけだが、Threadはパケットのルーティングと転送の両方を行う。ルーティング機能によってトラフィックを増加させると、結果的に低レイテンシを実現できる」(同氏)。

 IHSのアナリストであるRatliff氏は、「ZigBeeを排除してCSRmeshは取り入れるといった決断を下すには、まだ早過ぎる。ただ、ThreadとCSRmeshがここ数カ月の間に、大きな注目を集めるようになったのは事実だ。Thread Groupが優位性を確立できる可能性もある。ただし、ZigBeeの場合と同じく、対処すべき課題やぜい弱性を抱えることにはなるだろう」と述べている。

 Ratliff氏は、「ZigBeeは、新しい標準規格に対する防御策として、本来持っている強みに注力するのではなく、“万人のための万能な存在”になろうとしている。このため課題に直面しているのだ。ZigBee Allianceは、自らのマーケティングメッセージをもっと簡素化し、それに注力していくべきだろう」との見解を述べた。

 一方Wolf氏は、「今はまだ、ZigBeeやZ-Waveなどの標準規格の存在を軽視できる段階では決してない」と主張する。

 Ratliff氏は、「こうした既存の標準規格に準拠する製品は、既に顧客向けに供給されている。一方Threadは、対応製品の市場展開を実現すべく、大手メーカーと契約を締結したり、本格的な生産に向けた準備が整っていることをアピールしなければならない段階にある」と述べる。

登録企業は800社に

 FreescaleのNeidig氏は、Thread Groupのマーケティングチェアも兼任する。同氏は、「Thread Groupのホームページ上で登録を済ませた企業の数は、2014年7月から現在までの間で800社に達した。さらに20社が、Thread Groupのメンバー企業として認定済み、あるいはその手続き中である。Thread Groupは今後数週間以内に、これらのメンバー企業名を発表する予定だ」と述べている。

 Threadのサポータ企業は、IoTの世界のネットワーク層において相互運用性を確保するために不可欠な新しいプロトコルとして、Threadを推進していきたい考えだ。

 競合相手としては、デバイス間の通信のためのソフトウェアフレームワーク「ALLJoyn」や、IoT関連のコンソーシアム「Open Interconnect Consortium(OIC)」、HomeKitなどが挙げられるが、いずれもThreadと同じく、それぞれが独自にAPI上で構築した一連のアプリケーションを推奨している。しかし、Threadのサポート企業によると、各社とも、Threadがコネクテッドホーム向けに提案したIPベースのメッシュネットワークソフトウェアスタックを利用しているという。

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