Google主導の「Thread」、対応機器は増えるのか?:スマートホーム向け規格はさまざまだが……(4/4 ページ)
Google傘下のNest Labsが取り組みを推進しているホームオートメーション向けプロトコル「Thread」。Freescale Semiconductor(フリースケール・セミコンダクタ)は、そのThreadに対応する機器を開発できるキットを提供すると発表した。ZigBee、Z-Wave、Bluetooth、Appleの「HomeKit」など、ホームオートメーションを視野に入れた規格が乱立する中、フリースケールのこの動きはThread対応機器が増えるきっかけとなるのだろうか。
課題はアプリケーション層
Freescaleは、IoTの相互運用性に関する課題について、「IoTベンダー各社にとって最も難しいのは、ネットワーク層ではなくアプリケーション層に関する決断を下さなければならないことだ」と説明している。
これは、実に困難な課題だといえる。たとえ、Threadが提唱するメッシュネットワークソフトウェアスタックについて業界全体の合意を得られたとしても、業界において実際に最終製品の相互運用性を確立できるようになるとは限らないためだ。
実際のところ、もしThreadが、EthernetやWi-Fiなどのアプリケーション層の標準化を見送ったとなれば、断片化が進むIoT機器の問題への対処が求められた場合に、「Thread Groupは、単に決断を先送りしただけだ」と非難される可能性がある。
しかし、IHSのIoT部門でディレクタを務めるBill Morelli氏は、「Threadが、他の標準規格と同じように独自のAPIを持っているとは思えないので、比較論にはならない。Threadのコンセプトは、下位層における標準ベースのソリューションであるということだ。つまり、複数のアプリケーション層プロトコルをサポートするということである」と述べている。
Morelli氏は、「あらゆるスマートホーム向けネットワークの最大の課題は、相互運用性だ」と話す。Wolf氏は、「業界は、DLNA(Digital Living Network Alliance)のIoTバージョンを作る時期なのかもしれない」との見解を示している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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