ニュース
重ね合わせ精度とスループットをさらに向上、ニコンのArFスキャナー:SEMICON Japan 2014 開催直前情報
ニコンは、現行機種に比べて重ね合わせ精度とスループットをさらに高めた露光装置「ArFスキャナー NSR-S322F」を発表した。最先端LSIの量産ラインに向ける。
ニコンは2014年11月、現行機種に比べて重ね合わせ精度とスループットをさらに高めた露光装置「ArFスキャナー NSR-S322F」を発表した。最先端LSIの量産ラインに向ける。
NSR-S322Fは、光源に波長193nmのArFエキシマレーザーを用い、65nm以下の解像度と0.92のNA(開口数)を実現している。現行機種に比べ、重ね合わせ精度とスループットを向上させたのが特長だ。重ね合わせ精度はSMO(同一号機間)が2.0nm以下、MMO(同一機種間)が5.0nm以下である。重ね合わせ精度を向上させるために新しく採用した干渉計システムは、従来の干渉計計測にエンコーダを組み合わせたハイブリッド構成とした。エンコーダを利用することで空気揺らぎの影響を受けずにステージ位置を計測することができるという。
スループットは230枚以上(300mmウエハー毎時、96ショット)とし、現行機種に比べてスループットを約5%向上したという。FIAの5眼化により、短時間でアライメント計測を可能としたことが改善につながった。これ以外にも、装置として階層的なモジュール構造を採用したことで、客先でのシステム立ち上げやメンテナンスの作業効率を高めることが可能になるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日本半導体産業の復活を示す3日間――SEMICON Japan2014
マイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan2014」が2014年12月3〜5日の3日間、開催される。38回目の今回は、25年ぶりに会場を都内(東京ビッグサイト)に戻し、IoTに関する特別展も初めて開催する。さまざまな変化がみられるSEMICON Japan2014について主催者に聞いた。 - 過半数の半導体企業は「窮地に陥るリスクを抱えている」
アリックスパートナーズは、世界の半導体業界の2014年見通しに関する調査結果を発表した。上場している半導体チップおよびその関連企業191社のうち半数以上(53%)が財務面で窮地に陥るリスクを抱えている、という厳しい見方を示した。 - 毎時200枚の生産性とMMO3.5nm以下を実現、ニコンのArF液浸スキャナ
ニコンは、20nm以下のプロセス技術を用いたICチップの量産ライン向けArF液浸スキャナ「NSR-S622D」を、実物大パネルで展示した。毎時200枚以上の高いスループットを維持しながら、装置間重ね合わせ精度(MMO:Mix and Match Overlay)は3.5nm以下を実現している。 - 2015年の半導体製造装置市場、2000年以来2番目の高水準へ
半導体製造装置/材料関連の業界団体であるSEMIは、2014年年央時点の半導体製造装置市場予測を発表し、2015年の半導体製造装置(新品)販売額が425億米ドルに達するとの見通しを示した。 - 富士通セミコンがオンセミと半導体製造で合弁
富士通セミコンダクター(以下、富士通セミコン)とオン・セミコンダクター(以下オンセミ)は2014年7月31日、富士通セミコンがオンセミ製品を受託製造するファウンドリ契約を締結するとともに、富士通セミコンが新たに設立する会津若松地区8インチウエハー対応工場運営会社にオンセミが7億円出資することで合意したと発表した。