半導体メーカー上位10社入り目指す、オンセミの戦略:ビジネスニュース 企業動向(2/3 ページ)
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2014年12月9日、記者説明会を都内で開催し、「IDM(垂直統合型)の半導体メーカーとして現状世界13位のポジションを、トップ10入りさせることが中期的なゴール」(同社)とし、事業規模拡大に向けた事業戦略を明らかにした。
イメージセンサー事業を買収で強化
事業規模を拡大させていく用途分野も、近年の買収案件に表れている。旧三洋半導体も得意としてきた車載(オートモーティブ)、HPPC(high performance power conversion)&モーターコントロール、インダストリアル/IoT、ワイヤレス・デバイスの4分野と、イメージセンサーだ。この5分野では、いずれも世界シェア1、2位を争う競争力のある製品をラインアップし、そうした製品を軸に事業規模の拡大を狙う方針だ。
特に、イメージセンサー事業は、2014年に実施した2社の買収により「車載向けイメージセンサーで世界首位、産業機器向けでも世界2位のシェア」(同氏)と、競争力のあるポジションを手に入れたことで、2015年以降、攻勢を掛ける分野だ。
マイクロン(Micron)からスピンアウトした経緯を持つアプティナは、スマートフォンやデジタルカメラなど民生機器向けも手掛けており、買収後も民生機器向けも含めた広範なポートフォリオを維持しつつ、シェア上位となった上、他の製品との相乗効果が見込みやすい車載、産業機器向けへの注力を強める。
イメージセンサーの最大ターゲットはクルマ
同社イメージセンサーグループオートモーティブ担当プロダクトライン・マネージャーのNarayan Purohit氏は、「イメージセンシング技術を活用したADAS(先進運転支援システム)や安全システムの活用は目覚ましく、今後、自動車で利用されるイメージセンサーは爆発的に増える」と注力する理由を説明する。
Purohit氏は、「車載向けイメージセンサーには主に3つの用途がある。1つ目はADAS用、2つ目はリアビューモニターやミラー代替などの表示用途向け、3つ目は運転車の居眠り検知など社内モニタリング用だ。既に、ADAS用とリアビューカメラ用ではシェア首位。社内モニタリング用はこれからの市場であり既に製品は開発済み」とし、車載イメージセンサーに関しては全方位でシェアの獲得、維持していく方針を示す。
さらに同氏は、「車載イメージセンサーへのニーズは低照度対応、高ダイナミックレンジ、小型、低消費電力、フリッカーフリーといったニーズがある。これらニーズに応える製品も着々と開発が進んでいる。例えば低照度対応では、ほぼ暗闇の0.5ルクスの明るさでも、カラーで映し出すことのできる1080p対応センサーやLEDフリッカを軽減する機能を搭載したセンサーなどを投入する近く予定だ」とし技術面でもリードしていることを強調。「自動車で求められる要件は、産業機器や民生機器でも要求されるものであり、順次、自動車以外にも展開する」として、車載向けをテクノロジードライバーとして、イメージセンサー事業全体の底上げも狙っていく方針だ。
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