半導体メーカー上位10社入り目指す、オンセミの戦略:ビジネスニュース 企業動向(3/3 ページ)
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2014年12月9日、記者説明会を都内で開催し、「IDM(垂直統合型)の半導体メーカーとして現状世界13位のポジションを、トップ10入りさせることが中期的なゴール」(同社)とし、事業規模拡大に向けた事業戦略を明らかにした。
SSGはグローバルサプライヤーに
会見では、旧三洋半導体を母体とするSSGも順調に事業が拡大している点をアピールした。同社SSGを担当する上席副社長のMamoon Rashid氏は、「買収当時、SSGは日系顧客向け売上高が90%を占めたが、買収から3年を経て、日系顧客向けが50%、外資系顧客向けが50%になった。SSGはグローバルサプライヤに転換した」と胸を張る。
製品面でも、旧三洋半導体が得意としたモーター制御関連技術をベースにしながら、モバイル機器向け、車載機器向けなどでの製品ポートフォリオを拡大させてきた点をアピール。さらに、SSG傘下の新潟工場で、アナログICなどを手掛けるアプリケーション・プロダクトグループやスタンダード・プロダクト・グループといった他事業部門の製品の製造を2014年から開始したことも公表し、旧三洋半導体のリソース活用が順調に進んでいることを強調した。
日本での提案活動も順調に拡大
SSGの事業のグローバル化を進める一方で、日本市場に対しては、SSGが本拠を日本に置く点を生かして事業の拡大を進める。例えば、これまでSSGの製品のみ対応していた群馬拠点での解析サポートサービスを他の事業部門製品へと広げて、ハイレベルなサポートを提供できる体制を2014年に構築している。他にも「SSGとの事業戦略を共有し、競争力のある製品提供ができている」(日本での営業活動を担当する日本法人代表取締役の雨宮隆久氏)という。
なお日本でのビジネス状況については、「2014年のデザインイン金額が前年比2〜3倍(米ドルベース)で推移している」(雨宮氏)とし、将来の売り上げ規模拡大が期待できる状態にあるという。また、このほど買収したアプティナ製品を扱っていたマクニカと、リョーサンの2社と販売代理店契約を結ぶなど販売チャンネルの再編、整備にも着手。「イメージセンサーなどSSG以外の製品の販売比率も高めて、市場シェアの獲得を目指す」とし、日本法人としても世界シェア上位10社入りに貢献していく構えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 富士通セミコンがオンセミと半導体製造で合弁
富士通セミコンダクター(以下、富士通セミコン)とオン・セミコンダクター(以下オンセミ)は2014年7月31日、富士通セミコンがオンセミ製品を受託製造するファウンドリ契約を締結するとともに、富士通セミコンが新たに設立する会津若松地区8インチウエハー対応工場運営会社にオンセミが7億円出資することで合意したと発表した。 - オンセミが日本に積極投資――新潟工場を拡張、成田に物流拠点新設
オン・セミコンダクターは、新潟の半導体工場の製造能力を拡張し、2014年より三洋半導体製品グループ以外の同社製品も新潟で製造を始める計画を明らかにした。また、日本における物流サービスを向上するため、千葉・成田にグローバル物流拠点を新たに開設した。 - オンセミ、三洋半導体とのシナジーで、電源/モーター関連ビジネスの拡大狙う
オン・セミコンダクターは、2011年に買収した三洋半導体との相乗効果を発揮させ、電源、LED駆動、モーター駆動の3分野での事業拡大を狙う。 - 世界に向けたスマホ用半導体を日本で開発するオンセミの製品戦略
オン・セミコンダクターは2014年7月、日本国内で主に製品開発を行っている事業部門「システム・ソリューションズ・グループ」におけるスマートフォン向け半導体の製品戦略に関する会見を都内で開催した。 - イメージセンサー企業の買収を続けるオンセミ、車載/産業市場向けに注力
ON Semiconductor(オンセミ)が、CMOSイメージセンサー大手のAptina Imaging(アプティナ)を買収する。買収金額は約4億米ドル(約407億円)となる見通し。2014年4月のTruesense Imaging(トゥルーセンス)、2011年2月のCypress SemiconductorのCMOSイメージセンサー部門に続き、イメージセンサーの買収案件では3件目となる。