ニュース
光触媒を活用するパナソニックの次世代浄水技術:新技術(3/3 ページ)
パナソニックは「エコプロダクツ2014」において、光触媒を用いた水浄化技術を展示。新開発した粒子状の光触媒を利用することで、従来の技術と比較して水中の有害物質を約100倍の速度での浄化が可能になったという。2018年までに実用化のめどを立てるとしている。
実用化のめどは2018年に
パナソニックは、2010年から光触媒を用いた水浄化技術の研究開発に取り組んでいる。同社のインドの研究開発拠点と連携して現地での水質調査などを行い、2013年10月からはインドのジャダプール大学との産学連携プロジェクトとして、光触媒を用いた水浄化システムの実証実験を進めてきたという。パナソニックのブースでは、光触媒水処理装置の実機も展示された。
パナソニックは展示した光触媒水処理装置について、トラックに搭載してインドをはじめとする新興国などの集落を回って浄化水を供給する活用方法を想定しているという。また、現地の水道事業者と提携して光触媒水処理装置を利用する水処理施設の建設や、現地企業への技術提供のも行っていく予定だとしている。
現在パナソニックは、インドで光触媒水処理装置のさらなる効率化や実用化に向けた研究開発を継続している。実用化については「2018年までに技術の完成を目指し、同時に量産化のめどを立てたい」(猪野氏)としてる。また、インドをはじめとする新興国での導入が成功すれば、欧州などへのグローバルな展開も視野に入れるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 発電と蓄電を同時に実現する「光蓄電池」、太陽光エネルギをぎゅっと凝縮
「太陽光で発電しつつ、それと同時に電力を蓄える」――。そんな新たなコンセプトに基づいた、「光蓄電池」と呼ぶ新構造の開発が進められている。 - MITが水から水素を分離する新技術を開発、ウイルスと触媒の複合体を利用
- 中性の水から水素/有機燃料を効率よく製造、理研と東大がメカニズムを解明
理化学研究所(理研)と東京大学は、中性の水を分解して電子を取り出すことができる「人工マンガン触媒」を開発した。今回の研究成果は、中性の水を電子源とした水素あるいは低環境負荷の有機燃料の製造につながると期待されている。