「微細化は今後10年続く」――インテルの見解:IEDM 2014(1/2 ページ)
米国で開催された「IEDM(International Electron Devices Meeting)2014」。Intelの14nm FinFETプロセスやTSMCの16nm FinFETなどの開発状況をはじめ、多くの論文が発表された。IEDM 2014のリポートを数回にわたってお届けする。
「IEDM(International Electron Devices Meeting) 2014」が、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)で2014年12月15〜17日に開催された。今回のIEDMで明らかになったのは、「ムーアの法則には、まだ十分な時間が残されている。多くの聡明な研究者たちが、さらなる技術の進展に向けて、その効果的な活用を目指して取り組んでいる」ということではないだろうか。
IntelはIEDM 2014において、ウィニングランを飾ることができたといえるだろう。同社は2014年9月に、初めて14nm FinFETプロセスに関する発表を行っているが、今回初めてその詳細を明らかにした。またIBMも、自社の組み込みDRAM向けに最適化した14nm FinFETプロセスの開発を順調に進めているという。
やはり14nmは難しかった
あるパネルディスカッションで、IntelのシニアフェローであるMark Bohr氏は、7nmプロセスについて楽観的な見方を示した。
「研究開発においてわれわれは、微細化は、少なくともあと10年は続くとみている。この考えは10年前や30年前から変わっていない。微細化は世代ごとに難しくなっているものの、当社は、トランジスタ当たりのコストを前世代のプロセスよりも下げられるような技術開発に取り組んでいる。私は、1μmが壁だった時の、身もすくむような気持ちを覚えている」(Bohr氏)。同氏は「われわれの22nmプロセスは、これまでで最も歩留まりが高く、最も欠陥が少ないプロセスになっている。14nmプロセスも同様になるだろうが、そのためには多くの課題を克服しなければならない」と続けた。
14nmプロセス技術を適用した設計には課題が多く、Intelが当初計画していたよりも実用化までの時間がかかっている。同社は従来と同じように、14nmノードの開発期間を約2年と見積もっていたが、実際は約3年の時間を要した。Bohr氏は、「当社は、この経験を生かし、より一層の努力を重ねている。10nmでは同じ問題は起こらないと考えている」と述べている。
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