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スマートホームの実現を引き寄せる――Bluetoothが支える3つの要件急成長する新市場(2/2 ページ)

70年前に人々が描いた“未来の家”のコンセプトは、スマートホームとして実現に近づきつつある。スマートホームでは、自宅に置かれたあらゆる機器を相互に連携させ、一括で管理するために、3つの要件が欠かせない。それに応えるのがBluetooth Smartだ。

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全てを統合するBluetooth

 本格的なIoTの実現には、次のステップとして、個々のシステムを1つ統合して管理する技術が必要になる。その1つに挙げられるのが、Bluetooth Smartだ。Bluetooth Smartは、現在スマートホーム分野で大きく成長している。IHS Technologyは、今後3年間のスマートホーム市場において、Bluetooth Smartが最も急速に成長する接続技術だとしている。その根拠は何だろうか。

 最大の理由が、Bluetooth Smartは、市販のスマートフォンやタブレット端末の大半に接続できる、低消費電力の無線通信規格という点だ。さらに、プラグアンドプレイの簡単な操作、適切なアプリケーションを使った機器の管理といった特長も備えている。IHS Technologyの予測では、スマートホーム市場におけるBluetooth Smartのシェアは今後2年間で6倍に増大し、2018年には市場全体の13%を超えるとされている。iOS 8でスマートホーム市場に参入したAppleは、2012年にBluetooth Smartのサポートを開始し、Bluetooth Smart対応の「iBeacon」機能を提供している。

「Bluetooth Smart」のロゴ
「Bluetooth Smart」のロゴ(クリックで拡大)

 Bluetooth SIGはメッシュネットワーク機能の追加に積極的に取り組んでいて、2014年12月には、Bluetooth対応機器向けのIP接続機能をサポートするプロファイルの提供を開始した。

 さらに、Bluetooth Smartでは幅広いカスタマイズ設計が可能だ。開発者が用途に合わせて、GATT(Generic Attribute Profile)ベースのプロファイルを作成できるだけでなく、Bluetooth Smartは相互運用性と拡張性も備えている。また、Bluetooth 4.1はIPv6接続に対応し、機器を直接クラウドに接続できる点も特長になっている。

 本格的なスマートホームが実現する時代が到来しつつあり、70年以上前からの“未来の家”のコンセプトが、ようやく現実になろうとしている。

 スマートホームのメリットがユーザーに広く知られるようになれば、使いやすくて段階的に導入でき、さらに、統合された環境でネットワークに接続できる製品が求められるようになる。ユーザーにとって理想的な製品は、自分が持っている機器とワンクリックで統合し、ホームネットワークを構築できるものだ。スマートホームを実現に引き寄せる大きな要素は、やはり、「全ての機器がネットワークに接続される」ことだろう。こうした動向から、Bluetooth Smart対応機器は、今後ますますスマートホーム市場において存在価値を発揮すると考えられる。

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