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タッチパネル搭載オシロ、トリガも指で波形を囲むだけ!テスト/計測(1/2 ページ)

キーサイト・テクノロジーの最新オシロスコープはタッチパネルを搭載し、毎秒100万回の波形更新速度を実現している。特にトリガ機能が大幅に簡素化されていて、指で信号波形を囲むだけで、トリガがかかるようになっている。

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 キーサイト・テクノロジーは2015年1月9日、オシロスコープの新機種「InfiniiVision 3000T Xシリーズ(以下、3000T Xシリーズ)」を発表した。8.5インチのタッチパネルを搭載していることと、指で囲んだ位置を簡単にトリガできる「ゾーン・タッチ・トリガ」機能を搭載していることが大きな特長だ。同社はこれらの特長を持つオシロを“新・定番オシロ コンパクトタッチ”として打ち出していく。

 3000T Xシリーズは、毎秒100万回の波形更新速度を実現している。サンプルレートは5Gサンプル/秒、メモリ長は4M。本体サイズは幅381mm×高さ204mm×奥行き142mmで、重さは4.0kg。帯域幅とチャンネル数の異なる20品種をそろえていて、本体参考価格は42万9387円から。

photophoto 「InfiniiVision 3000T Xシリーズ」の外観。女性でも片手で簡単に持ち運びできる重さだ(クリックで拡大)

 キーサイトは、波形更新速度が速く、電気信号を確実に観測できる「見えるオシロ」としてInfiniiVisionシリーズを、大容量メモリを備え、解析機能に重点を置いた「解析するオシロ」として「Infiniium」シリーズを展開している。今回発表した3000T Xシリーズは、「見えるオシロ」の機種としてコストパフォーマンスを追求したもの。もともと「InfiniiVision 3000 Xシリーズ」があり、これにゾーン・タッチ・トリガとタッチパネル、マルチドメインオシロ(MDO)機能*)などを標準装備として追加しつつ、価格は据え置いている(価格差は1%未満)。

*)周波数ドメイン、タイムドメインの相関解析機能

指で囲んでトリガをかける

 オシロスコープで、「見たい信号が見えること」と同様に重要なのが「見つけた不具合波形をしっかり捉えること」、つまりトリガ機能だ。キーサイトは、「従来のオシロでトリガをかけようとすると、作業が十数ステップにもおよぶ場合がある」と説明する。例えば立ち上がり時間トリガをかける場合、“カーソルで立ち上がり10%に合わせて電圧を測定→別のカーソルを立ち上がり90%に合わせて電圧を測定→2つのカーソル間の立ち上がり時間を測定→トリガ用のメニューボタンを押す……”といったように、実際にトリガをかけるステップになかなかたどりつかない。そのため、「トリガ機能があっても使おうとしないエンジニアもいる」(キーサイト)という。

 だが、トリガ機能がせっかくあるのに使わないのはもったいない。そこで開発したのがゾーン・タッチ・トリガだ。その名の通り、トリガをかけたい信号の周りに指で枠を描くだけでトリガがかかる。あとはタッチで詳細の解析メニューを選ぶだけだ。キーサイトは、「まずは、“トリガをかけてみるか”と思ってもらうことが重要」と述べている。

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「ゾーン・タッチ・トリガ」のイメージ。指で枠を描くだけで、その部分にトリガをかけられる(クリックで拡大)
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立ち上がり時間トリガをかける場合の、従来のトリガとゾーン・タッチ・トリガの比較(クリックで拡大)

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