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スイスの大学が電子脊髄を開発、まひの治療応用に期待新技術(2/2 ページ)

スイスのローザンヌ連邦工科大学(EPFL)が、電子脊髄「e-Dura」を開発したと発表した。伸縮性のあるシリコンを使い、コネクタと電極を金の配線で接続して電子追跡機能を持たせた。パーキンソン病やてんかんの治療にも応用できるのではないかと期待されている。

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生体適合性のあるシリコン材料を使用

 e-Duraは、皮膚のように簡単に伸縮させたり曲げたりすることが可能な、生体適合性のあるシリコン材料を基板として使用している。基板のコネクタからは複数の金線が伸びていて、これは電子追跡機能を持つ。各線の末端にはプラチナ微粒子で作られた電極が取り付けられていて、これを首の付け根の神経や、脳の神経に直接つなげるという。

 このような仕組みによって、刺激を伝達したり、患者の歩こうとする“意思”をモニタリングして迅速に反応し、適切な筋肉を刺激することができる。さらにe-Duraには、神経伝達物質を運ぶためのマイクロ流体チャネルも備えられていて、損傷を受けていない神経や筋細胞からの自然な刺激を伝達することが可能だ。

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e-Duraの構造(クリックで拡大) 出典:EPFL

パーキンソン病などの治療応用にも期待

 科学者グループは今後、人体による臨床試験へと進み、より複雑な機能を多く備えながら、数年間埋め込んだままにすることが可能な移植装置の実現を目指す。その後、直ちに製品化していきたい考えだ。Lacour氏は、Grégoire Courtine教授と共同でプロジェクトに取り組むことにより、今後はてんかんや痛み/うずき、パーキンソン病などの治療にも適用範囲を拡大していきたいとしている。

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脊髄の組織にe-Duraを張り付けるイメージ 出典:EPFL

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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