最大240MHz動作、4Mバイトフラッシュ内蔵、32bマイコン「RX700シリーズ」:プロセッサ/マイコン
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RXファミリ」のフラッグシップ製品「RX700シリーズ」の第1弾として「RX71Mグループ」を発表した。CPUの動作周波数は最大240MHzで、最大4Mバイトのフラッシュメモリを内蔵する。
ルネサス エレクトロニクスは2015年1月、32ビットマイコン「RXファミリ」のフラッグシップ製品「RX700シリーズ」の第1弾として「RX71Mグループ」を発表した。CPUの動作周波数は最大240MHzで、最大4Mバイトのフラッシュメモリを内蔵する。IoT(モノのインターネット)やM2M(Machine to Machine)といったネットワークに対応する産業機器などの用途に向ける。
RX700シリーズは、現行のRXファミリとCPUや周辺機能、端子配置などの互換性を維持している。その上で、CPUの最大動作周波数を従来の120MHzに対して、2倍となる240MHzとした。RX71Mグループは、パッケージの端子数が100〜177で、内蔵するフラッシュメモリ容量が2〜4Mバイトの製品を、合計で112品種用意している。2015年6月より量産を始める予定だ。
RX71Mグループは、CPUコアとしてRXv2コアを搭載している。これまでのRXv1コアに比べて性能は約1.3倍になるという。もちろんRXv1とは完全コード互換性を維持している。さらに、Firmware Integration Technology(FIT)に準拠したドライバを提供しており、RXマイコン間のソフトウェア移行であれば、開発期間や開発コストを最大50%削減することができるという。
この他、通信インタフェースとして、従来のCANやSPIに加えて、「SD Host Interface」、「USB High Speed」、IEEE1588対応のデュアルチャネルのイーサネットなどを備えている。これにより、機器間の接続性を高めることが可能である。また、セキュリティ機能も強化した。AES、DES、SHA、RNGといった暗号化処理をハードウェアで高速に実行する機能を内蔵した。さらに、フラッシュメモリに格納したコードの不正読み出しに対する保護機能に加えて、開発段階におけるアルゴリズムの漏洩や不正コピーなどを防止する独自の「Trusted Memory」機能を搭載している。
RXファミリは、動作周波数が32MHzの「RX100」、50MHzの「RX200」、そして120MHzの「RX600」があり、RX700シリーズはそのファミリにおけるフラッグシップ製品となる。
RXファミリは、スケーラブルな製品展開で、産業機器や組込みネットワーク機器のさまざまなニーズに対応している。
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