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NEDOの考える“本当に使えるセンサー”:センシング技術(2/2 ページ)
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とNMEMS技術研究機構(以下、NMEMS)は2015年2月4日、「グリーンMEMS(微小電気機械システム)センサー」を開発し、同センサーを用いたエネルギーマネジメントシステムの実証実験を行った結果、10%以上の省エネ効果を確認したと発表した。
実証実験で使えることを確認
NEDOとNMEMSの両者は、開発したセンサーを用い実証実験を実施。実証実験には、ダイキン工業やコンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)が参加した。
セブン-イレブンでは、借電型クランプタイプの電流センサー端末を分電盤に取り付けるなど1店舗当たり8個の20年間メンテナンスフリーの無線センサーを設置して、揚げ物調理器や空調、冷蔵庫などの消費電力や稼働状況をモニタリングするシステムを導入。先行導入店舗で、10%程度の省エネ効果や店舗マネジメントへの好影響があったことなどから、約2000店舗ある同社全店舗にセンサーシステムを導入したという。
ダイキン工業では、500m2程度の中小規模オフィスを対象に照明の光で自立動作する赤外線アレーセンサーを使ってフロア温度分布や人位置を見える化し、空調の調整、換気など省エネ指示を行うシステムを構築し、10%以上の省エネ効果を確認したとする。
センサーの効果立証で「大きな市場作る」
NEDO ロボット・機械システム部 部長の弓取修二氏は、「センサーの普及を図るには、センサーを導入することによる効果を保証することが重要で、実証実験の成果は大きい。今回の開発プロジェクトで開発したセンサーが将来、大きな市場を作る」と語った。
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