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ルネサスの最新半導体ソリューション(2)――32ビットマイコン「RXファミリ」の最上位品とタッチキー対応品福田昭のデバイス通信(4)(1/2 ページ)

前回に続き、ルネサス エレクトロニクスの最新のマイコン群を紹介する。今回は、ミッドレンジの「RXファミリ」に焦点を当てる。

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RXファミリ最上位の「RX700シリーズ」が登場

 前回に続き、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)の顧客向け講演会兼展示会「Renesas DevCon JAPAN in Osaka」(デブコン大阪)から、同社の最新ソリューションを紹介する。

 前回に述べたように、ルネサスが主力とするマイコン製品ファミリは、ローエンドの16ビットCISCマイコン「RL78ファミリ」とミッドレンジの32ビットCISCマイコン「RXファミリ」、ハイエンドの32ビットRISCマイコン「RZファミリ」で構成される。ローエンドの「RL78ファミリ」を前回は紹介した。今回はミッドレンジの「RXファミリ」の展示を紹介する。

 RXファミリの新製品として、展示会の会場ではRXファミリの最上位製品「RX71Mグループ」と、タッチセンサー対応マイコン「RX113グループ」を出品していた。

 「RX71Mグループ」は、RXファミリの新シリーズ「RX700シリーズ」の最初の製品である。RXファミリはこれまで、上位の「RX600シリーズ」、中位の「RX200シリーズ」、下位の「RX100シリーズ」という3つのシリーズで構成されていた。その上に、最上位となる「RX700シリーズ」を開発し、その最初の製品「RX71M」を2015年1月26日に発表した。デブコン大阪の開催日である同年1月29日のわずか3日前のことである。

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RXファミリのロードマップ。ルネサスが2015年1月26日に発表したリリースから引用した(クリックで拡大)

 RX700シリーズの特長は、動作周波数が最大240MHzと高いこと。これまでの最上位品RX600シリーズの動作周波数が最大120MHzなので、動作周波数は2倍に向上した。言い換えると、演算性能がRX600シリーズの2倍に上がった。性能数値は1056coremark、480DMIPSである。

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デブコン大阪で使われた「RX71Mグループ」の説明資料(クリックで拡大)

 「RX71Mグループ」は最大動作周波数が240MHz、電源電圧が2.7V〜3.6V。コード格納用フラッシュメモリ容量が最大4Mバイト、SRAM容量が512Kバイトと大容量のメモリを内蔵しており、基本的には外付けメモリなしのシステム構成を想定している。

 コード格納用フラッシュメモリは、特定領域を読み出し禁止(つまり命令実行のみが可能)にできる機能「トラステッドメモリ(Trusted Memory)機能」を備える。この機能は外部からの読み出しを禁止するだけでなく、マイコン内部からのコピーを禁止する。この機能を使うと、ファームウェアの共同開発や外部委託などで機密扱いのコードを開示せずに済む。

 512KバイトのSRAMはパリティ符号付き。さらに誤り訂正機能(1ビット誤り訂正、2ビット誤り検出機能)付きの32KバイトSRAMを内蔵しており、信頼性に配慮した。

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