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スマホで手軽にインスタンスサーチできる技術――NTT:センシング技術(2/2 ページ)
NTTは2015年2月、3次元の物体をどの角度から撮影しても、高精度にその物体を認識、検索できる「アングルフリー物体検索技術」を開発した。
特徴点を重み付け
具体的には、まず、あらかじめ登録する参照画像と入力画像のそれぞれの特徴点を抽出、照合する。その際、参照画像の特徴点は、特長空間内での分布を考慮して独自の索引化されていて、「画像特徴を従来比約2倍の速さで照合できる」という。その後、参照画像の特徴点を回転/拡大縮小するなどして3次元的な見え方の変化をシミュレーションし、入力画像の特徴点との対応付けを実施。さらに頻出する特徴点の重みを下げるなど特徴点を統計的に重み付けしながら照合を行い物体を特定する。
3次元的な見え方の変化をシミュレーションをすることで、参照画像数を従来比1/10程度に抑えることができる他、画像特徴の重み付けによって、インスタンスサーチ(動画像検索)の精度評価値(MAP*))において「従来法に比べ約70%向上した」(NTT)という。
*)MAP:Mean average precisionの略。検索結果の上位にどれだけ適合する画像が出現しているかの指標
NTTでは、静岡県の伊東商工会議所と共同で2015年2月28日〜3月3日に、開発した技術を使ってデジタルスタンプラリーのトライアルサービスを実施する。同サービスでは、参加者が一定のルートを訪れたことを、スマートフォンや携帯電話機で撮影された画像からアングルフリー物体検索技術を用いて判定するという。
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