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三菱電機、売上高5兆円に向けた成長戦略の要を披露ビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)

三菱電機は、研究開発成果披露会で17件の研究成果を紹介した。「企業の成長をけん引する事業のさらなる強化」に向けて、短期的な技術案件から長期的な研究案件まで、幅広いテーマで研究開発に取り組んでいる。

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 三菱電機は2015年2月17日、研究開発成果披露会を開催した。「企業の成長をけん引する事業のさらなる強化」に向けて、短期的な技術案件から長期的な研究案件まで、幅広いテーマで研究開発に取り組んでいる。その中から今回の成果披露会では17件の研究成果を紹介した。

「強い事業をより強く」

 冒頭、三菱電機社長の柵山正樹氏は、2015年3月期の連結業績予想について語り、「売上高は4兆2400億円、営業利益は2900億円の見通しとなり、それぞれ前回予想を上方修正した。いずれも過去最高となる」と述べた。また、2014年5月開催の経営戦略説明会で打ち出した経営目標についても触れた。その目標とは創立100周年を迎える2020年度(2021年3月期)までに連結売上高5兆円以上、営業利益率8%以上を達成するというものだ。こうした中で、「研究開発の成果が成長戦略の要となる」とあらためて強調した。

 引き続き、常務執行役で開発本部長を務める近藤賢二氏が、三菱電機における研究開発戦略などを紹介した。成長戦略のコアとなるのは三菱電機グループが蓄積してきたさまざまな技術資産である。これらの資産を活用して「強い事業をより強く」「新たな強い事業の継続的創出」、そして「強い事業を核としたソリューション事業の強化」と、3つのカテゴリに分けて、開発に取り組む方針を示した。技術開発力を強化するために、大学や独立行政法人などとの共同開発にも積極的に取り組んでいく計画だ。

三菱電機の執行役社長を務める柵山正樹氏(左)と、常務執行役で開発本部長を務める近藤賢二氏(右)

20年先を見据えた研究開発は「メーカーの使命」

 近藤氏は、強い事業をより強くする事業として8部門を挙げた。「電力システム」「交通システム」「ビルシステム」「FAシステム」「自動車機器」「宇宙システム」「パワーデバイス」、そして「空調システム」である。新たな強い事業の継続的創出を行っていく事業部門は、「公共システム」「映像監視システム」「ITソリューション」、および「キッチン家電・生活家電」である。さらに、強い事業を核としたソリューション事業の一例として、ビル設備運用システムとビルセキュリティシステムを組み合わせたサービスの提供などを紹介した。


成長戦略の全体像 (クリックで拡大) 出典:三菱電機

 三菱電機の研究開発に対する考え方も示した。短期、中期、長期というそれぞれの時間軸の視点に立ち、技術開発を行っていく。近藤氏は、「具体的な投資配分が決まっているわけではないが、これまでは比較的短期の技術開発に偏りがちだった。これからは、もう少し中長期をにらんだ開発投資の比率も増やしていきたい」と述べた。また、棚山氏はSiCパワー半導体を開発してきた経緯に触れ、「SiCパワー半導体は、20年以上も前から開発に取り組んできた。ここにきてその成果が出てきた。20年先のことを考えながら研究開発に取り組むこともメーカーの使命である」と付け加えた。

 なお、同社の研究開発投資は、2014年度に1930億円を計画している。2009年度の投資額は1337億円であり、「5年前に比べると1.4倍に拡大している」(近藤氏)と話した。

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