測定時間を1/10に短縮するベクトルネットワークアナライザ:テスト/計測(2/2 ページ)
キーサイト・テクノロジーは、ベクトルネットワークアナライザ「ENAシリーズ」として「E5080A」を発表した。従来製品に比べてダイナミックレンジを広げるなど基本性能を向上させることで、テスト時間を従来の1/10に短縮することが可能となる。また、操作性を高めることができる新たなGUIも採用した。
新GUIを採用
もう1つの大きな特長は、新たなグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)を採用することで操作性の向上を図ったことだ。ハイエンドモデル「PNAシリーズ」とプラットフォームの共通化を進めており、GUIの刷新もその一つである。例えば、大型のカラータッチスクリーンディスプレイを搭載し、タブ表示のソフトキーなどにより極めて少ない操作で測定作業をセットアップできたり、ドラッグ&ドロップ操作でトレースの移動やウインドウを直感的に配置したり、面倒で複雑なセットアップをダイアログやウイザードで比較的容易に行えるようにするなど、測定作業における使い勝手を一段と良くしている。さらに、使用頻度の高いソフトキーをお気に入りメニューに登録したり、ツールバーに必要なアイコンを追加したりするなど、ユーザーがUIをカスタマイズすることも可能である。
E5080Aは、周波数帯域とポート数によって6モデルを用意した。9kHz〜4.5GHz帯域で2ポートタイプの「E5080A-245」、同じく4ポートタイプの「E5080A-445」、9kHz〜6.5GHz帯域で2ポートタイプの「E5080A-265」、同じく4ポートタイプの「E5080A-465」、9kHz〜9GHz帯域で2ポートタイプの「E5080A-295」、同じく4ポートタイプの「E5080A-495」である。参考価格(税別)は、E5080A-245が357万918円、E5080A-495は633万7531円となっている。
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