「Generation 10 FPGA」向けデジタル電源、実装面積や変換効率を大幅改善:電源設計 デジタル制御(1/2 ページ)
アルテラは、電源製品群「Enpirion」として、最新のFPGAに向けたデジタル制御方式のDC-DCコンバータIC「EM1130」を発表した。FPGAへの供給電圧をチップごとに最適化することができ、消費電力を最大40%節減することが可能となる。
アルテラは2015年3月12日、電源製品群「Enpirion」として、最新の自社製FPGAに向けたデジタル制御方式のDC-DCコンバータIC「EM1130」を発表した。FPGAに内蔵されたSmartVID(Smart Voltage ID)情報に基づき、供給する電圧を最適化することでFPGAの消費電力を最大40%節減することが可能となる。
EM1130は、30Aの電流を供給できるデジタル制御方式の降圧型DC-DCコンバータICである。特に、同社が「Generation 10 FPGA」と呼ぶ最新の「Arria 10」や「Stratix 10」のコア電源用途に適した仕様となっている。Enpirion製品では初めてのデジタル電源ICとなる。スイッチング周波数は350kHz〜1.25MHzの範囲で設定することができる。
アルテラのパワービジネスユニットでワールドワイドビジネスデベロップメントのディレクタを務めるPatrick Wadden氏は、「最新のFPGA/SoCは、システムの複雑性や高速/高性能化が進展するにつれ、従来のアナログ電源ICでは、電源供給の要求に応えるのが難しくなってきた。設計者も電源回路設計に関して、その難易度が高まっている。供給する電圧や電流はより高い精度が求められ、動作温度範囲や実装する基板面積などにも設計上の制限があるからだ。EM1130を用いることで、電源回路の設計を簡素化することができる。設計者は軽減できた労力をFPGA自体の設計に振り向けることができる」と話す。
EM1130は、SmartVID機能やPMBus v1.2準拠のデジタルインタフェースなどを搭載した。出力電流は30Aで、並列動作させることで最大120Aまで拡張することが可能である。Wadden氏は、「6個のEM1130を並列動作させて、最大180Aの出力を達成しようとしているユーザーもいる」とする。
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