「Generation 10 FPGA」向けデジタル電源、実装面積や変換効率を大幅改善:電源設計 デジタル制御(2/2 ページ)
アルテラは、電源製品群「Enpirion」として、最新のFPGAに向けたデジタル制御方式のDC-DCコンバータIC「EM1130」を発表した。FPGAへの供給電圧をチップごとに最適化することができ、消費電力を最大40%節減することが可能となる。
入力電圧範囲は4.5〜14.5V、出力電圧範囲は0.7〜5Vとなっている。出力電圧精度は負荷端で0.5%未満と高い。電源効率は最低89%を達成している。パッケージの外形寸法は11×17×5mmである。外部に入力用と出力用のキャパシタを追加すれば電源モジュールを構成することができるため、「モジュールのフットプリントは競合製品のほぼ半分」(Wadden氏)と小さい。しかも、過渡応答が高速で、従来外付けしていた電解コンデンサを削減できるのも、フットプリントの削減に寄与している。
データセンターでは年間300万米ドルのコスト節減も
Wadden氏は、「同等機能を備えた他社製モジュールに比べて、変換効率は3〜6%優れている。1%の効率改善は270mWの節減となり、ボードあたり1Wの削減は年間15〜30米ドルのコスト節約となる。ボードを100枚使ってシステムを運用しているデータセンターなどにおいては、年間150万〜300万米ドルのコスト削減につながる」との試算を示した。同時に小型パッケージによるメリットも紹介した。「電源ICが占有するボード上の面積を削減できたことで、ユーザーの中にはボードに搭載するFPGAをこれまでの4個から1個増やして5個にすることが可能となり、システム性能を20%改善した事例もある」と述べた。
さらに、PMBusインタフェースを介して、最適な電源制御を行うことができる。その1つがArria 10やStatix 10などで対応しているSmartVID機能との連動だ。SmartVIDには製造プロセスなどの違いで生じるチップ固有の情報が書き込まれている。この情報に基づき、動作電圧を下げても期待する処理性能が得られるチップの場合は、電源ICからの供給電圧を下げる。これによって、SmartVIDを活用しない場合に比べて消費電力を最大40%削減できるという。また、PMBusインタフェース経由で、電流や電圧、温度などの測定値をEM1130とシステムの間で共有すれば、DRCセンシング方式に比べて出力電圧の精度を4倍も改善することが可能となる。
EM1130の量産出荷は2015年5月上旬からとなる。PMBusインタフェースを内蔵していない品種も用意した。Wadden氏は、「EM1130は、アルテラのデジタル電源SoCファミリとして最初の製品となるが、2016年に向けて多くの品種を市場に投入していくことになるだろう」と述べた。
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