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ルネサスの最新半導体ソリューション(9)――可視光通信を組み込んだ照明で位置案内や省エネなどを実現福田昭のデバイス通信(11)(1/2 ページ)

「デブコン大阪」の展示リポートの最後は、「オフィス」「ファクトリー」関連の技術を紹介する。オフィスの照明に可視光通信機能を組み込み、オフィス内の人間の位置情報を把握するシステムや、産業用イーサネットでモーターをリアルタイムに制御する技術などが展示された。

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「オフィス」と「ファクトリー」のソリューションを展示

 前回に続き、ルネサス エレクトロニクス(以下は「ルネサス」と呼称)の顧客向け講演会兼展示会「Renesas DevCon JAPAN in Osaka」(以下は「デブコン大阪」と呼称)から、同社の最新ソリューションを紹介する。既に説明したように、デブコン大阪の展示会場は以下の6つのカテゴリで構成されていた。

(1)「最新製品情報/ロードマップ」
(2)「エコシステム」
(3)「シティ」
(4)「ホーム」
(5)「オフィス」
(6)「ファクトリー」

 前回までで、(1)の「最新製品情報/ロードマップ」から(4)の「ホーム」までの主な展示をレポートした。今回は(5)の「オフィス」と(6)の「ファクトリー」に関する主な展示を紹介する。

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「オフィス」に関する展示内容の一覧(クリックで拡大)
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「ファクトリー」に関する展示内容の一覧(クリックで拡大)

可視光通信でオフィスの位置情報を案内

 「オフィス」に関する展示では、可視光発光ダイオード(LED)を使った照明による通信の応用が興味深かった。オフィスの照明に可視光通信システムを導入することで、オフィス内に存在する人間の位置情報を把握する。

 屋内のオフィスでは、GPSや携帯電話システムの電波が届きにくく、これらの手段では位置を把握しづらいことがある。そこで照明に可視光通信機能を持たせることで、オフィス内における位置情報の把握を容易にする。通信の基本的な考え方は照明が送信側となり、オフィス内の人間が受信側となる。

 送信回路はルネサスのマイコン「RL78ファミリ」と電源制御ソフトウェア、可視光送信ソフトウェア、DALI規格(照明機器の通信規格)の通信ソフトウェアで構成する。DALI規格の通信データは有線でホストから受け取る。この送信回路で天井の照明から、位置情報を室内に送出する。

 受信回路は照度センサーとルネサスのマイコン「RL78ファミリ」、受信信号復調ソフトウェアなどで構成する。受信回路モジュールを組み込んだモバイル端末を人間が所持することで、位置情報を得る。

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オフィス内の位置情報を知らせる可視光通信の説明資料(クリックで拡大)

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