Googleでも勝負は難しかった? スマートグラスは民生から産業用途へ:「Google Glass」もターゲットを変更(2/2 ページ)
最近はそこまでの盛り上がりを見せていないスマートグラス市場。「Google Glass」でさえ民生機器として勝負するのは難しかったようで、Googleを含め、スマートグラスメーカーは、ターゲットを民生用途から産業用途に移しつつある。
ソニーも産業用途向けを狙う
一方、ソニーは今後3週間以内に、産業用途をターゲットにしたスマートグラスの開発者向けバージョンを出荷する予定だ。同製品のデモを行ったプロジェクトマネジャーのJonas Petterson氏が明らかにした。同スマートグラスには、視界の全面に文字や画像が浮かび上がるプロジェクション技術が搭載されている。価格は840米ドルで、個数限定で提供されるという。
ソニーは、独自のソフトウェアフレームワークを使って、スマートグラス向けの商用アプリも開発している。同社のスマートフォンにも同様のフレームワークが使われていて、これは既に無償のSDK(Software Development Kit)として入手できるようになっている。大量発注については、設計をカスタマイズする予定だ。
ソニーは、民生機器としてのスマートグラスのプロトタイプについては、より慎重な姿勢を見せている。展示会でも「単なるコンセプトである」と強調した。GoogleがGoogle Glassでプライバシーの問題に直面したことを踏まえ、製品化される前に内蔵カメラが取り外される可能性もある。
ソニーは、ウェラブル端末用のAndroidプラットフォームAndroid Wearを搭載した「SmartWatch 3」も展示した。動作周波数が1.2GHzの「Cortex-A7」(クアッドコア)プロセッサを搭載していて、電池容量は420mAh。電池寿命は約2日間としている。320×320画素の1.6インチ半透過型液晶ディスプレイを採用している。
SmartWatch 3は、「Apple Watch」よりも機能は少ないが、4Gバイトのメモリを搭載して249米ドルと、より安価に提供している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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