2018年度に向け1兆円規模の戦略投資を実行、M&Aも視野に――パナソニック:ビジネスニュース 企業動向(1/3 ページ)
パナソニックは、2018年度に売上高10兆円の達成に向けて、その道筋を明確にするとともに、通常の投資とは別にM&Aを含め4年間で1兆円規模の戦略投資を実行する考えだ。
パナソニックは2015年3月26日、東京都内で津賀一宏社長が記者会見し、2015年度(2016年3月期)の事業方針を発表した。2018年度に売上高10兆円の達成に向けて、その道筋を明確にするとともに、通常の投資とは別にM&Aを含め4年間で1兆円規模の戦略投資を実行する考えを明らかにした。
津賀社長は冒頭、2014年度(2015年3月期)の総括として業績見通しに触れた。2014年度の営業利益は3500億円、累計フリーキャッシュフローは2年累計で8000億円となる見通しで、いずれも2015年度の計画を前倒しで達成できることになった。未達として残るのは5%以上を目標として掲げていた営業利益率(2014年度見通しは4.5%)のみとなった。
これまで取り組んできた事業構造改革については、「全て2014年度に完遂した」(津賀社長)と話す。これまでの赤字事業のうち、半導体事業と光ディスクドライブ事業を除き、2015年度には黒字に転換する見通しだ。課題であったテレビ/液晶パネル事業も2014年度第3四半期より黒字化している。残る2つの赤字事業についても、「事業構造改革の方向付けは完了した」(津賀社長)という。
営業利益率5%以上を達成
2015年度の取り組みとして津賀社長が強調したのは、営業利益率として5%以上を達成することである。同時に、売り上げ規模の拡大による利益創出に向けた戦略へと大きく舵を切ることで、持続的な成長を目指す。2015年度の業績目標として、売上高8兆円、営業利益4300億円、営業利益率5.4%を掲げている。
2015年度の業績目標達成のカギを握るのは、売上高が3000億円以上に達する大規模な6事業部門だという。具体的に「エアコン」「ライティング」「ハウジングシステム」「インフォテインメント」「二次電池」および「パナホーム」を挙げた。津賀社長は、「これら6事業分野は、大規模事業部門でありながら、営業利益率が5%以下である。これらの事業体質を改善できれば、全社の業績向上にも大きく貢献する」との見方を示した。同社の計画によれば、これらの事業で売上高を1500億円改善すると、営業利益は390億円の増加となる。これまで行ってきた構造改革および合理化の効果に加えて、販売増による営業利益額の増大に期待する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.