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エンジニア史に残る10人の女性たち(後編)ハリウッド女優から初の女性宇宙飛行士まで(2/3 ページ)

サイエンスやテクノロジーの発展に多大な貢献をした女性エンジニアに焦点を当てる本稿。後編となる今回は、現在の無線通信技術の基礎を築いたハリウッド女優や、「宇宙膨張」の発見の足掛かりとなった天文学者などを紹介する。

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Valentina Tereshkova:女性初の宇宙飛行士

 弱冠26歳で、Valentina Tereshkovaは女性初の宇宙飛行士となった。1963年6月、Tereshkovaを乗せたボストーク6号は、約3日間で地球を48周する軌道飛行に成功。彼女の飛行時間は、それまでに飛行した全ての米国人宇宙飛行士の飛行時間を足した時間を上回った。

 Tereshkovaが宇宙飛行士に採用されたのは、彼女がスカイダイバーとして名が知られていたからである。軍事的なバックグラウンドはなく、高等教育も受けていなかった。

 Tereshkovaの飛行中の記録と写真から、エアロゾル層の存在が明らかになった。

 宇宙飛行を終えたTereshkovaは、その後Zhukovsky Air Force Academyに進学して宇宙工学を学ぶ。1977年には工学博士を取得した。以降は、主に政界で活躍した。

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米国の宇宙飛行士ニール・アームストロングに、Gagarin Cosmonaut Training Center訪問の記念バッジを付けるTereshkova 出典:Russian International News Agency

Henrietta Swan Leavitt:「宇宙膨張」の足掛かりを築く

 もしHenrietta Swan Leavittがこの世に誕生していなければ、「ハッブルの法則」で知られる天文学者Edwin Hubble(エドウィン・ハッブル)の名前が世界に出ることはなかっただろう。

 1868年に生まれたLeavittは、変光星(セファイド)の明るさと距離の関係を明らかにした天文学者である。Leavittは「地球と銀河の距離を計算した最初の天文学者」として認められている。

 Leavittは、「小マゼラン雲と呼ばれる星団に含まれている全ての変光星は、地球から同じ距離にある」という仮定を立てた。「変光星の見た目の明るさ」と「地球からの距離」によって、変光星の本来の明るさを計算できると考えたのだ。

 Leavittの研究は、後にHubbleが宇宙膨張を発見する足掛かりとなった。

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