特集
エンジニア史に残る10人の女性たち(後編):ハリウッド女優から初の女性宇宙飛行士まで(3/3 ページ)
サイエンスやテクノロジーの発展に多大な貢献をした女性エンジニアに焦点を当てる本稿。後編となる今回は、現在の無線通信技術の基礎を築いたハリウッド女優や、「宇宙膨張」の発見の足掛かりとなった天文学者などを紹介する。
Lise Meitner:核分裂の発見者
オーストリアのユダヤ系家庭に生まれたLise Meitner(リーゼ・マイトナー)は、核分裂を発見したチームの一員だ。MeitnerのパートナーであるOtto Hahnは、この発見によって1944年にノーベル化学賞を受賞している(Meitnerは外されている)。
ヒトラーの勢力の拡大に伴ってオランダへ逃れたMeitnerは、その後スウェーデンで研究を続ける。この時既に、MeitnerとHahnは、プロトアクチニウムの同位体を発見していた。
1945年8月、広島に原子爆弾が投下されるとMeitnerの元に取材陣が殺到したという。Meitnerは、「原子エネルギーがどのようにコントロールされるべきなのか、それを提言するつもりは毛頭ない。核分裂が戦争で使われることなど金輪際ないようにと、願うだけだ。人類の滅亡へとつながる兵器の製造よりも、永久に続く平和を望んでいる」と語っている。
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