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低消費電力素子に応用可能なトポロジカル絶縁体薄膜の作製に成功半導体でも絶縁体でも金属でもない新物質(1/2 ページ)

理化学研究所は2015年4月15日、東北大学と共同でエネルギー損失なく電流が流れるトポロジカル絶縁体の薄膜の作製に成功したと発表した。

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 理化学研究所は2015年4月15日、東北大学と共同でエネルギー損失なく電流が流れるトポロジカル絶縁体の薄膜の作製に成功したと発表した。開発したトポロジカル絶縁体薄膜と既存の半導体技術と組み合わせた低消費電力なデバイス素子の実現が期待される。

中は絶縁体、表面は金属

 トポロジカル絶縁体は、従来の絶縁体、半導体、金属という分類の枠には収まらない新物質とされる。物質の内部は電気を通さない絶縁体状態であるが、物質表面は電気を通す金属状態という特性を持つ。加えて、表面の金属状態は、エネルギーをほとんど使わずに電子伝導が可能な「ディラック状態」と呼ばれる状態であり、半導体に比べ、不純物などの影響を受けずに電流を流せる。こうしたトポロジカル絶縁体の特性を使うことで低消費電力な素子を実現できるとされ、トポロジカル絶縁体薄膜研究が行われている。


図1 トポロジカル絶縁体表面における整数量子ホール効果のイメージ。整数量子ホール効果では、試料の端にエネルギー損失のない電流が流れる 出典:理化学研究所

 ただ、これまでのトポロジカル絶縁体薄膜は、内部に結晶欠陥などが生じてしまうために、わずかながら内部にも電気が通ってしまい、表面だけ電気伝導を行う2次元的なディラック状態を持つ純粋なトポロジカル絶縁体薄膜を作り出すことが困難だった。

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