5Gを実現して活用する――NECの2020年ネットワークビジョン:ビジネスニュース 企業動向(2/3 ページ)
NECは、2020年ごろのネットワークに対するビジョン「Network 2020」を策定し、同ビジョンに沿った技術/サービスの開発を進めていく方針。同ビジョンには、5G(第5世代移動通信)サービスの実用化を盛り込み、5G実現に向けた技術開発を進めるとしている。
ユースケース予想から割り出す、次世代通信の要件
例えば、自動車。NECでは、2020年には車車間通信、路車間通信が行われ、各自動車から集めた渋滞情報や事故情報などのビッグデータを、自動車の誘導/制御に利用すると想定。そうした場合に、通信には当然、リアルタイム性が求められ、100m秒以下という超低遅延の通信が必要だと定義する。
他にもエンターテイメント分野では、モバイル環境での4K/8Kといった超高解像度の高品質画像を伝送するための大容量通信が不可欠とし、さらに仮想現実(AR)を応用した新たなナビゲーションサービスやユーザーの趣向に応じた動画配信サービスなどの実現に向けた高速データ伝送が求められるとみる。IoTなど業務用途での通信利用の拡大も見込み、一層のセキュリティレベルの向上や、通信に要するエネルギー消費の削減が必要と指摘し、2020年に向けて、5Gなどを活用した新たなネットワークアーキテクチャの構築が不可欠とする。
NECでは、2020年のネットワークのアーキテクチャは、多様な通信ニーズに応じて柔軟な構成が行えなければならないとし、SDN(Software-Defined Network)やNFV(Network Functions Virtualization)を駆使した通信インフラの構築を提案。交通分野などリアルタイム性が要求される分野では、より端末に近い部分でデータ処理を行い、低データレートながら多数の端末が接続されるセンサーネットワーク分野などでは、より上位のクラウド側に集約して処理するなど、サービス特性に応じて柔軟に構成を選択できるネットワーク構築を目指す。
そして、そうした柔軟なネットワークアーキテクチャの土台を支えるのが、端末とゲートウェイ/クラウドを結ぶ無線アクセスネットワーク(RAN)、強いては5Gだ。
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