ルネサス作田会長「無事、取りあえず生き残れた」――成長は後任に委ねる:ビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスの会長兼CEOを2015年6月に退任することを表明している作田久男氏。2014年度決算説明会席上で、ルネサス再建の陣頭指揮を採った過去2年間を振り返った。
就任2年で大幅な利益改善
ルネサス エレクトロニクスは2015年5月12日、東京都内で2014年度(2015年3月期)決算説明会を開催し、2015年6月に会長兼CEO(最高経営責任者)を退任する作田久男氏が出席し、会長を務めた約2年間を振り返るなどした。
作田氏は、2013年6月に、当時出資し大株主となることが決まっていた産業革新機構からの要請を受けて、会長兼CEOに就任。以来、ルネサスの再建の陣頭指揮を採ってきたが、2015年6月24日に開催される株主総会を経て退任する。
2014年度決算説明会の席上、作田氏は自身の退任について「産業革新機構から会長就任の要請された際に、(ルネサスの再建は)厳しい状況で生き残るステップと、グローバルで勝ち残るという2つのステップがあり、この2つのステップを成し遂げるには時間が掛かり、私自身の年齢では厳しいと考えていた。生き残るための1つ目のステップは、なんとか周囲から認めてもらえるまでやれた。これから勝ち残るためのステップは、新しいリーダーが指揮を採るのがベストだと思い産業革新機構に(退任を)申し出た」と語り、企業存続に向けた構造改革が一段落したことによる退任であると説明した。
実際、この日、発表した2014年度通期業績は、巨額の赤字を計上した就任直前の2012年度業績と比較して、大幅に改善した。
売上高は、7911億円と2012年度の水準をほぼ同じだが、営業利益は1044億円で2年前から1300億円近く改善。さらに最終損益に至っては、2年前から2500億円改善し、2010年4月のルネサスエレ発足以来初の最終黒字(824億円)を達成している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.