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人類は、“ダイエットに失敗する”ようにできている世界を「数字」で回してみよう(15) ダイエット(3/9 ページ)

今回から新シリーズとしてダイエットを取り上げます。ダイエット――。飽食の時代にあって、それは永遠の課題といっても過言ではないテーマになっています。さて、このダイエットにまつわる「数字」を読み解いていくと、実に面白い傾向と、ある1つの仮説が見えてきます。

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「ダイエット」への欲望を数値化してみる

 私のように、「健康」(や、「国家財政」)に影響を与えかねない体重となっている場合、取り組むべき動機は明確です。

 『苦しみながら、老後を送りたくない、みっともない死に様を見せたくない』で十分です。

 しかし、この「健康」に匹敵する大きな理由が、もう1つあります。

 「美容」です(Google検索のヒット数では、「健康」と「美容」は大体イーブンになります)。つまりですね、世間一般では、「ダイエットが美容に資する」ということが、「ダイエットが健康に資する」と同程度のレベルにあるということです。

 ―― ええい、まどろっこしい言い方はやめよう。

 はっきり言えば「ダイエット(に成功した状態のボディ)は価値がある」と多くの人が思っているということです。

 一方、「ダイエットに成功した」の定義は存在していないようです。

 一般には「自らが設定した目標体重まで体重を減らすことができた」という主観的な意味で使われるようですが、一定の客観性もあるように思えます。その証拠に、「あの人、太っているよね」という意見が、賛成と反対に分かれるなどという場面に出会うことは滅多にありません。一方、「キレイ」だの「カッコイイ」だのの評価は、結構意見が割れます。

 そもそも「ダイエット(に成功した状態)は美しい」が、人類史上、ワールドワイドに、普遍的に多数派であったかは、かなり怪しいのです(次回以降に検証を予定しています)。

 さて、それでは、その世間のダイエットに対する興味……というか欲望を、数値で比較してみましょう。

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 上記のグラフは、本の題目に含まれる単語から、Amazonで取り扱っている本の数を調べたものです。この数が直接、世間の興味の比率を示すものではないにしろ、「『ダイエット』本」が、「『美人』本」や「『TOEIC』本」の2倍近い書籍が出版されているというのは興味深いです(「『セックス』本」が多いのは、Amazonなら買い易いからかもしれませんが、それなら、「『モテる』本」がもっと出版されても良さそうなものです)。

 いずれもしても、日本人の「ダイエット」への興味は、「性欲、食欲、名誉欲」に匹敵またはそれを凌駕している可能性があります。

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