Huaweiのモバイル戦略、次はGoogleとの提携を目指す:ビジネスニュース 企業動向(3/3 ページ)
基地局やスマートフォンで確固たる地位を築いたHuawei。同社のモバイル戦略は新たなフェーズに入っている。次のフェーズでは、限られたメンバー企業だけが参加できる“円卓会議”のようなグループ関係を構築し、相互に技術貢献を図るという。同社のマーケティング担当者は、「まずはGoogleとの提携を目指す」と言い切った。
後発でも成長してきたHuawei
Huaweiの専門は、通信技術だ。
Huaweiはこれまで20年かけて、インフラ設備(基地局など)向け通信市場で世界的な存在感を着実に構築してきた。
Huaweiは2010年、通信装置分野での成功を再現することを目指して、独自のスマートフォン事業を発足した。Yang氏は、「この試みの中で、Huaweiは急勾配の学習曲線をたどることになった」と振り返る。
2000年代初めのHuaweiは、モバイル事業においてフューチャーフォンに焦点を当てていた。同社は当初、よりローエンドの市場をターゲットにしていた。
「当初は、まるで暗い部屋に入っていくように感じた。多くの時間を費やしてスマートフォン産業を理解しようとした。Huaweiは当時、販売チャネルや小売業などを理解しておらず、そのことでほとんど壊滅状態に追いやられたこともあった。消費者に覚えてもらうには、非常に優れた“スーパースター”のような製品を作るしかないと分かり、製品戦略を立て直そうと思った」(Yang氏)。
HuaweiはXiaomiに影響される形で、Huawei製品の“ファン”を作り出すことと、ユーザーがコミュニティ意識を得るための場所を提供することの重要性を理解したという。
基地局でリード
Huaweiが2G(第2世代移動通信)市場に参入したとき、「市場は既に飽和状態で、多くのプレーヤが存在した。われわれは、とにかく、“他社に後れを取り過ぎないように”することだけに集中した」(Yang氏)。
3G(第3世代)が登場するころには、「当社は、他社を追っているだけではなかった。分散基地局という独自のアーキテクチャを開発した」(同氏)。
GSM(Global System for Mobile communications)方式に対応した新しい基地局として登場したHuaweiの分散基地局は、屋内セルと屋外セルを組み合わせる。Yang氏は、「現在では、世界に設置されている基地局の60%が、分散型のアーキテクチャを採用している」と話す。
4G(第4世代移動通信)では、Huaweiの基地局はほとんど“標準品”のようなものとなった。Yang氏によれば、欧州で導入されている4Gネットワークの50%は、Huaweiの設備を使用しているという。
【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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