試作に特化する通販代理店マウザーが日本にサポート拠点を開設:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
米国テキサス州に本社を置く通販専門電子デバイス販売代理店Mouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)が2015年6月、日本オフィスを開設した。
年平均成長率21.8%
こうした試作設計製造に特化したビジネスモデルで、マウザーは急成長を遂げてきた。2000年から2014年の年平均売上高成長率は21.8%を記録。2014年には、2013年比2億米ドル以上の売り上げ成長を達成し、2015年には年間売上高10億米ドルを突破する見通しだ。
地域別では、本拠地・米国が半分近くを占めるが、近年は米国外、とりわけアジア太平洋地域での売り上げ拡大が顕著だ。そのなかで、日本での売り上げも2014年に前年比36%の高い伸びを見せ、今回の日本オフィス開設の契機となった。
「日本は、大規模量産を製造コストの安い海外へシフトさせ、国内では試作の設計、開発の比重が高まっている。そうした点からもマウザーのビジネスモデルが合致する市場」とSmith氏は、日本での売り上げ拡大に期待を寄せる。
比率高いオフィス経由の売上高
心強いデータもある。マウザーは世界21カ所にサポートオフィスを構える。オフィスのある地域での売り上げ構成をみると、インターネット経由での販売が50%程度。残りは、オフィスを通じた電話や対面による販売が占める。
これまで香港オフィスが担当してきた日本は、95%がインターネット経由の売上高。他の地域同様、オフィス開設によりインターネット以外での販売が増えれば、日本での売り上げ規模は2倍になるという計算だ。
日本オフィス開設により、日本の顧客は、日本語によるサポートが受けられるようになる。これまでクレジットカードが中心だった決済方法も、銀行振り込みなど日本円によるさまざまな決済方法が増える見通し。
「インターネット経由、オフィス経由で区別して売り上げ目標を立てているわけではない。ざまざまな取引の選択肢を提供ですることで、日本でのビジネス規模が拡大できればと思っている」とする。
倉庫を拡張中
なお、Smith氏は会見で、米国テキサス州の本社兼倉庫を拡張していることを明かし、2015年9月末までに、本社兼倉庫が現状の1.5倍に広がることを強調。「当社は本社倉庫から、全世界に出荷する物流システムを構築している。これは、1つの箱で、全ての商品を迅速に、届けてほしいというエンジニアのニーズに応じる最良のシステムとして採用している。日本でも、3日程度で発送できる体制だ」(Smith氏)と述べた。
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