ファーウェイとシャオミ、7つの相違点:中国ハイテク企業の星(4/4 ページ)
Huawei(ファーウェイ)とXiaomi(シャオミ)。今、中国エレクトロニクス業界で最も勢いのある2社といっても過言ではないだろう。両社の歴史や社風はまったく異なるが、いずれもIoT(モノのインターネット)に重点を置いているのは共通している。2社には、どのような共通点と相違点があるのだろうか。
【相違点5】販売チャネルと消費者への直接販売
Huaweiは、スマートフォンビジネスに参入するに当たって、消費者市場の販売チャネルや小売販路と連携する方法を習得しなければならず、多大なコストを要したという。B2Bビジネスにおいて成長を遂げてきた同社にとって、B2Cビジネスは全く新しい分野だった。Yang氏は、「Huaweiは、販売チャネルのために崩壊寸前まで行くところだった」と述べている。
Xiaomiも同様に、5年前にスマートフォンビジネスに参入したばかりだ。しかし同社は、既存の複雑な販売チャネルを完全に回避する方法を考え出した。自社の製品を、独自のオンラインプラットフォームを介して消費者に直接販売するという戦略を、最初に構築したのだ。さらに、オンライン上で巨大なフォロワーグループを作り上げた。
このようなXiaomiの成功を、Huaweiが見逃すわけがない。Huaweiは、Xiaomiに影響を受け、Huawei製品の“ファン”を生み出すことの重要性に気付いた。そこで、同社も現在、ユーザーに連帯感を感じてもらうための場をオンライン上に提供している。
【相違点6】Ren Zhenghei氏とJun Lei氏
両社のリーダーを比べてみると、全く正反対であることが分かる。
Huaweiの創設者であり、CEO(最高経営責任者)を務めるRen Zhengfei氏は、かつて中国人民解放軍でエンジニアを務めていた経歴を持つ。同氏は、相当な秘密主義者として知られている。最近、同氏が珍しく公の場に表れたのは、2015年初めにスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(World Economic Forum)だった。
一方、XiaomiのJun Lei氏は、何の秘密もないオープンな人柄だ。はっきり意見を述べる情熱的な人物で、メディアでも取り上げられることが多い。Xiaomi製品を発表するステージ上で同氏が見せるパフォーマンスは、Appleの前CEOを務めた故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏にしばしば例えられる。
【相違点7】過去と未来
一見したところ、Huaweiはエレクトロニクス業界の過去を、そしてXiaomiは未来を、それぞれ示しているかのようだ。
このような分析にも、何かしら真実があるかもしれない。あらゆるモノを接続することを追求していく上で、インターネットのオープン性を活用しないビジネスモデルを採用していては、意味がない。
IoT市場が拡大すれば、Huaweiのように市場で勝ち抜ける力と、Xiaomiのような自由で若々しい機敏さ、その両方の要素が求められるようになるだろう。
【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 次はIoTへ――シャオミの野心
スマートフォンの成功で上昇気流に乗っているXiaomi(シャオミ)。次はモノのインターネット(IoT)分野を狙うとの見方が濃厚だ。 - サムスン、中国スマホ市場で2014年Q4のシェアが5位に急落
中国のスマートフォン市場において、メーカー別シェアランキングの顔ぶれが大きく変化している。特に、Samsung Electronics(サムスン電子)のシェアが大幅に低下した。前年同期では18.8%でトップだったが、1年で7.9%と一桁台までシェアを落とした。 - 存在感が増す中国
市場規模だけではなく、半導体メーカーの成長という意味でも、中国の存在感が強くなっている。中国はファウンドリ事業に数十億米ドルもの投資を行うことを計画しているが、それに見合うだけの成果を得られるのかは不明だと、専門家は分析する。 - Huaweiのモバイル戦略、次はGoogleとの提携を目指す
基地局やスマートフォンで確固たる地位を築いたHuawei。同社のモバイル戦略は新たなフェーズに入っている。次のフェーズでは、限られたメンバー企業だけが参加できる“円卓会議”のようなグループ関係を構築し、相互に技術貢献を図るという。同社のマーケティング担当者は、「まずはGoogleとの提携を目指す」と言い切った。