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コラム

「Apple Watch」は好調でも、“キラーアプリ”不在のスマートウオッチオピニオン(1/2 ページ)

スマートフォンという新しい製品カテゴリを生み出したApple。「Apple Watch」でも、同様にスマートウオッチというカテゴリを定義できるのだろうか。スマートウオッチならではの“キラーアプリ”を作り出せるかどうかが、鍵になるだろう。

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 Appleの「Worldwide Developers Conference(WWDC)2015」が2015年6月8日(米国時間)、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開幕した。エレクトロニクス業界は今週、Apple関連のニュースで埋め尽くされるだろう。

 それに乗じるつもりではないのだが、Appleが「Apple Watch」のオンライン販売を開始した2015年4月以降、スマートウオッチについて考えてきたことを書いてみたいと思う。

 Apple Watchは、「まったく新しい製品カテゴリを定義した」という点で、世界のエレクトロニクス業界に貢献したと筆者は考えている。

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 「Apple Watchはスマートウオッチの成功形だ」と言っているわけではない。Apple Watchには長短両面がある。洗練されたデザインと使いやすいインタフェースを備える一方で、バッテリーは1日しか持たず、高額だ。

 既に定義されている製品カテゴリの中で新たな製品を設計するには、コストと独創性をてんびんにかけて検討しなければならない。新たな製品カテゴリをゼロから定義するのは、さらに難しい。

 だがAppleはかつて、スマートフォンでこれをやってのけた。「iPhone」は今や、標準規格ともいえるポジションを確立し、他のスマートフォンメーカーはこぞってiPhoneを模倣している。だが、果たして、Appleはこの偉業を再び成し遂げることができるのだろうか。

スマートウオッチの議論が活発な中国

 筆者は先月、中国を訪ねたのだが、深センや上海、北京では、半導体設計者やシステムOEMメーカー、業界アナリストなどたくさんの人がスマートウオッチの定義に関してさかんに議論していた。

 彼らの多くは、米国人のように静観した態度でApple Watchの売れ行きを見守るのではなく、スマートウオッチ市場のマイナス要素を指摘し、全力で前へ進もうとしていた。筆者にとっては、これは新鮮だった。

 先の議論は、スマートウオッチの形状(丸型か角型か)から、スマートウオッチがスマートフォンの機能を備えるべきか、スマートフォンの付属品として機能すべきかということまで多岐に及んだ。

 筆者は最初、スマートウオッチの形状を気にかけていることが理解できなかった。だが、彼らは、スマートウオッチの機能にはどういった形状が適しているかという、より基本的な側面から再考していたのだ。

 北京のある半導体企業の経営幹部は、匿名を条件に次のように語った。「私は半導体設計者なので、どんな種類のスマートウオッチが求められているのかはよく分かっていない。しかし、1つ分かることがある。スマートウオッチの製品の定義について、慎重に検討すべきだということだ。スマートウオッチは“時計”と呼ばれているからと言って、時計として機能しなければならないのだろうか」。

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