米国オレゴン州ポートランドの日刊紙「The Oregonian/OregonLive」が入手したIntel社内の覚書によると、Intelは、自社の研究職や経営層の社員を多数解雇する可能性があるという。同社は2015年4月に、2015年の売上高予測を下方修正していることから、3億米ドルの予算を削減したい考えではないかと見られる。
この覚書は、Intelのマネジャークラスに提示されたものだという。これによると、同社は今後投資を優先し、雇用を減らして、さまざまな効率化を進めていく予定だとされている。こうした効率化は、例えば、会社都合による退職手当を能力ベースで支払うなどがある。The Oregonianの報道によれば、Intelは2015年6月から人員削減を開始し、その後1カ月間で不特定多数の従業員の解雇を完了させると見られている。Intelは現在、世界各国に約10万6000人の従業員を抱える。
Intelは、今回の人員削減に関するコメントを控えている。同社の売上高は、2014年に過去最高を記録したが、その後PCの需要が減少したことを受け、2015年第1四半期には前年比横ばいとなっている。
成長予測を下方修正
Intelは、2015年に5%の成長を見込んでいたが、2015年4月にその成長予測を修正し、横ばいになる見通しだとした。市場専門家たちは、「PC市場の低迷が続いていることから、Intelの支出は1年以上にわたり、想定の範囲を6〜10%上回っている」と述べる。
アナリストであるJon Peddie氏は、EE Timesの取材に対し、「Intelは今後1年以上、人員削減による金銭的なメリットを享受することはできないだろう」と述べる。同氏によると、5000人の従業員の解雇は、10億米ドルのコスト削減に相当するという。
Peddie氏は、「どのメーカーも、売上高や利益に応じて雇用レベルを調整する。Intelの経営は極めて健全であり、従業員への対応も誠実だ」と述べる。
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