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CypressによるISSIの買収、二転三転するも白紙に?企業動向(1/2 ページ)

Cypress Semiconductorが「次の買収先」として狙いを定めていたISSI(Integrated Silicon Solution)は、Cypressの提案を断り、Uphill Investmentとの取引を行うようだ。CypressとISSIの買収案は二転三転していたが、白紙となる可能性が濃厚である。

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 Cypress SemiconductorによるISSI(Integrated Silicon Solution)の買収話は二転三転していたが、結局は白紙に戻りそうな気配が濃厚だ。

 ISSIは2015年6月8日(米国時間)、Cypressとの合併によって独占禁止法に抵触する恐れがあるとの懸念から、Cypressとの契約を撤回したことを明らかにした。

 しかし、Reuters(ロイター通信)は同月10日、「ISSIは、Cypressが6億4300万米ドルで同社を買収する契約を進めることで合意した」と報じた(参考)。

 ISSIは、2015年6月10日に発表したプレスリリースの中で、「Cypressの買収提案は、財務上の観点から、Uphill Investmentとの契約よりISSIの株主にとって好ましいと判断した」と述べている。

 ISSIは、Cypressが買収を提案するより前の2015年3月に、Uphillによる買収に合意していた。

 ところが、話は次のように進む。

 ISSIは2015年6月10日にCypressと再び手を組む態度を示しておきながら、その翌日には、以前に発表したUphillとの合併契約を修正したと発表した。Uphillは2015年3月当初は、ISSIの発行済み株式を1株当たり20米ドルの現金で取得すると提案していた。修正案では、この額が1株当たり21米ドルに増額されている。ISSIは、Uphillによる買収と同買収事案に関連する課題について承認を得るために、2015年6月19日に株主総会を開催することも明らかにしている。

 ISSIは、Uphillによる買収案に合意していたにもかかわらず、Cypressの提示額のほうが高額であったことからCypressの提案を受け入れた。そして今度は、1株当たり20.25米ドルというCypressの提示額を上回るように、Uphillの提案を修正させた。ISSIの取締役会は、同社の株主に対してUphillの提案に票を投じるように要請している。同社は、CypressからはUphillの修正案を上回る額が提示される見込みはないため、もはやCypressの提案を受け入れるつもりはないとしている。

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ISSIの本社(米国カリフォルニア州)

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