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スパコン並みの脳機能コンピュータ、2030年に野球ボールサイズで実現へ先端技術(2/3 ページ)

野球ボールサイズのてまり型スパコンが2030年に登場するのか。電子回路LSIの限界を超えるための技術として、シリコンフォトニクス技術が注目されている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「光エレクトロニクスシンポジウム」で、その可能性の一端を紹介した。

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逐次、製品化

 荒川氏は、同プロジェクトで取り組んでいる研究開発の中で、「光I/Oコア」「革新デバイス技術」「デジタルコヒーレント技術開発」および「超小型光回路要素部品」などにおける成果の概要を紹介した。例えば光I/Oコアでは、消費電力5mW/Gbps、帯域容量がチャネル当たり25Gbpsの光トランシーバを5mm角のチップで実現し、動作実証に成功している。さらに、デジタルコヒーレントDSP-LSIや集積光デバイス、デジタルコヒーレントトランシーバなどについては、2015年1月より事業化するなど、R&Dにとどまらず開発成果は逐次、製品化に結び付けていることも強調した。

光I/Oコア(左)と革新デバイス技術の概要 (クリックで拡大) 出典:東京大学
デジタルコヒーレント技術開発(左)と超小型光回路要素部品開発の概要 (クリックで拡大) 出典:東京大学

 光電子集積技術の応用分野として、荒川氏はスーパーコンピュータの事例を挙げた。2030年には人間の脳の能力より100倍高速で、100倍俯瞰的に処理を行うことができる脳機能コンピュータ(超人的人工知能)を、野球ボールサイズで実現することができる見通しだ。光配線技術などを用いることで、10PFLOPSの演算性能を可能とする。「野球ボールサイズスパコンは新産業革命のけん引役を果たす」(荒川氏)との見方を示した。

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