「LG G4」を分解、量子ドットディスプレイを採用:製品解剖
高級感のある仕上がりが特長となっているLG Electronicsの最新スマートフォン「LG G4」。iFixitの分解の様子を見てみよう。LG G4は、Samsung Electronicsの「Galaxy S6 edge」やAppleの「iPhone 6」に比べて、修理しやすい機種のようだ。
2015年4月に発表されたLG Electronicsの最新スマートフォン「LG G4」。Android 5.1(Lollipop)を搭載した製品だ。前世代品の「LG G3」は世界中でヒットし、LGはスマートフォン市場で好調を維持している*)。
*)関連記事:サムスン「GALAXY」のシェア急落 2014年4〜6月世界スマホ
量子ドットディスプレイを採用
G4では、G3よりもさらに高級感が感じられる仕上がりになっているようだ。iFixitがさっそく分解しているので、G4の中身をのぞいてみよう。分解の詳細は、iFixitのWebサイトで閲覧できる。
まずは恒例だが、G4の仕様を簡単に見てみる。ディスプレイは、5.5インチの「IPS Quantumディスプレイ(量子ドットディスプレイ)」を採用している。画素数は1440×2560で、画素密度は538dpi。G3に比べて色の再現性やコントラストが向上しているという。アプリケーションプロセッサには、Qualcommの64ビットの「Snapdragon 808」(6コア、動作周波数は1.8GHz)を採用した。背面カメラには、1600万画素、f値が1.8のレンズを搭載している。
G4に搭載されているリチウムイオン電池の容量は11.2Wh(3.85V)。ちなみにSamsung Electronicsの「Galaxy S6」の電池の容量は9.82Wh(3.85V)である。
メインボードの搭載部品
メインボードの搭載部品は、次の通りだ。
赤:Samsung ElectronicsのLPDDR3 RAM(3GB)。「K3QF6F60AM-QGCF」の刻印がある。その下には、Qualcommの「Snapdragon 808」が搭載されている
オレンジ:東芝のNAND型フラッシュメモリ(32GB)
黄:BroadcomのWi-Fi(IEEE 802.11ac)通信チップ「BCM4339」
緑:Qualcommの電源管理IC「PMI8994」
水色:IDTのQi(チー)対応ワイヤレス給電用レシーバIC「P9025A」
ピンク:QualcommのLTEトランシーバIC「WTR3925」
赤:Avago Technologiesのパワーアンプ「ACPM-7717」
オレンジ:QualcommのオーディオCODEC「WCD9330」
黄:Analogix Semiconductorの「SlimPort」対応超高品位(Ultra-HD)トランスミッタIC「ANX7816」
緑:Qualcommの電源管理IC「PM8994」
水色:NXP SemiconductorsのNFCコントローラIC「47883」
G4は「修理しやすい」
iFixitは、G4の修理のしやすさを、10段階中「8」としている。「10」が最も修理しやすいので、G4は修理しやすい方だといえるだろう。Samsungの「Galaxy S6 edge」は「3」、Appleの「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」は、ともに「7」と評価されている。ハイエンドスマートフォンの中では、かなり修理しやすい製品のようだ。
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