USB Type-Cの採用は進む? サプライチェーンでは問題も:新型「MacBook」にも搭載(1/3 ページ)
Appleの新型「MacBook」など、USB Type-Cを搭載した機器が登場し始めている。電力供給、データ伝送、映像伝送と、1つで3役をこなすUSB Type-Cは、長期的にみれば、あらゆるデバイスに適した規格だといえるだろう。ただし、欧州の規制や、デバイスおよび周辺機器のサプライチェーンの間では、問題も多く発生するかもしれない。
2015年4月に日本でも販売が開始された、Appleの新型「MacBook」。搭載されている物理ポートは「USB Type-C(USB Type-C)」とヘッドホンジャックだけである。Googleも後れを取るまいと、同年3月に、USB Type-Cコネクタを搭載した新型「Chromebook Pixel」を発表した。Chromebook Pixelは、両サイドにUSB Type-Cコネクタを1つずつ、USB 3.0 Type-Aコネクタを2つ、さらにSDカードリーダーも備えている。
中国のスマートフォンメーカーOnePlusは、2014年に発売した「OnePlus 1」に継ぐ次世代フラッグシップモデル「OnePlus 2」にUSB Type-Cコネクタを搭載すると発表している。
メーカーにとって、USB Type-Cを搭載するメリットは大きい。1つのコネクタとケーブル、ポートで、電力/データ/映像を伝送できるからだ。USB Type-Cは、Micro USBコネクタとほぼ同サイズで、100W以上の電力供給や、高速データ伝送(現行の「USB 3.1」規格の場合10Gビット/秒)、4K映像の伝送に適している。
USB Type-Cのメリットの1つは、リバーシブル、つまり“裏表がない”ということだ。挿入する際に、ケーブルの向きを確認する手間がなくなる。
一方、ユーザーや周辺機器メーカーにとっては、いくつか問題も生じる。現在、ほとんどの機器はUSB Type-A、Micro USBのいずれかを採用している。通常、コンピュータにはUSB Type-A、タブレット端末/スマートフォン(ただし、Apple製品を除く)にはMicro-USBが採用されている。USBコネクタの年間出荷数は、30億個以上に上る。
新しいMacBookやSamsung Electronicsの「Galaxy S6」を購入したユーザーは、古いタイプのUSBデバイスと接続できなくなる。接続するには、アダプタを購入しなければならない。MacBookにはUSB Type-Cポートが1つしかないので、外部ディスプレイやタブレット端末などを同時に使う場合に、本体やその他のデバイスの充電に困ることになる。だが、Appleは、「ほとんどのユーザーはBluetoothを使って接続するため、ポートは1つで十分だ」と説明している。
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