ワイヤレス給電技術の認知度が上がる、「Apple Watch」などが貢献か:2014年比で約2倍に向上(1/2 ページ)
IHSによると、ワイヤレス給電技術に対する消費者の認知度が、2014年比で2倍に向上したという。「Galaxy S6」や「Apple Watch」など、注目度の高いモバイル機器に搭載されたことが大きいようだ。
ワイヤレス給電技術に対する消費者の認知度が高まっている。Samsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy S6」やAppleのスマートウオッチ「Apple Watch」など、最近発表された話題の製品に同技術が搭載されたことによる影響が大きいようだ。
米調査会社IHSが最近行った調査によると、米国と英国、中国において、ワイヤレス給電技術を知っていると答えた消費者の割合は、全体の76%に達したという。同社が2014年に同じ調査を行った時の割合と比べると、2倍以上に増加したことになるようだ。
IHSで電源/ワイヤレスパワー部門担当リサーチマネジャーを務めるDavid Green氏は、「当社は2014年に、米国と英国、中国の消費者をそれぞれ334人ずつ、計1002人を対象として、今回と同じ内容の調査を行っている。その当時、ワイヤレス給電技術について知っていると答えた消費者の割合は、全体のわずか36%にすぎなかった」と語っている。
IHSの予測によると、2015年における携帯電話機向けワイヤレス給電レシーバICの出荷数は、過去最高となる1億2000万個に達する見込みだという。こうしたレシーバICの大半は、SamsungのGalaxy S6および「Galaxy S6 Edge」に搭載されるとみられる。
またIHSによれば、2015年におけるウェアラブル機器向けワイヤレス給電レシーバICの出荷数は、約2000万個に達する見込みだ。このうち1400万個以上が、Apple Watchに搭載されるとみられている。
Green氏は、「ワイヤレス給電技術を採用する携帯機器や民生機器の数が増加の一途にあることから、同技術に対する消費者の認知度が高まり、さらなる成長が見込まれる。2014年の調査では、調査対象となった国々の潜在的消費者全体の約3分の2が、ワイヤレス給電技術を全く知らないということが明らかになった。その当時は、同技術に対する消費者からの需要が不十分だったということだ。しかし今回、市場全体の4分の3を超えるまでに認知度が急速に高まったことから、ワイヤレス給電技術にとっては良い兆候だといえる」と述べている。
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