ワイヤレス給電技術の認知度が上がる、「Apple Watch」などが貢献か:2014年比で約2倍に向上(2/2 ページ)
IHSによると、ワイヤレス給電技術に対する消費者の認知度が、2014年比で2倍に向上したという。「Galaxy S6」や「Apple Watch」など、注目度の高いモバイル機器に搭載されたことが大きいようだ。
2015年は飛躍の年に
さらに同氏は、「こうした兆候は、Samsungなどの企業だけでなく、ワイヤレス給電技術に携わる全ての企業にとって朗報だといえる。重要なのは、消費者たちがワイヤレス給電技術についてよく耳にするようになれば、それを受け入れ始め、さらにそのユースケースについて必要性を見いだすようになるという点だ」と述べる。
IHSは2015年初めごろから、「ワイヤレス給電技術は2015年に、転機を迎えることになる」と主張し続けてきた。Green氏と、同じくIHSでワイヤレスパワー部門担当アナリストを務めるVicky Yussuff氏は、「ワイヤレス給電技術は2015年に、大躍進を遂げると確信している」と述べている。
規格は断片化の状態に
消費者からの認知度は向上していても、ワイヤレス給電技術は、「Qi(チー)」を推進するWPC(Wireless Power Consortium)、Alliance for WirelessPower(A4WP)、Power Matters Alliance(PMA)の3団体が存在していることで、“断片化”している状態にある。A4WPとPMAは、合併することを2015年6月に発表したが、両団体が推進するワイヤレス給電技術に互換性はない。
ただ、Green氏は「異なるワイヤレス給電技術が存在するということは、あまり大きな問題ではないかもしれない」と述べる。IHSは、2種類のワイヤレス給電技術に対応できる“デュアルモード”のレシーバICが増えてくると予測している。同社は、2016年に出荷されるレシーバICのうち、20〜30%はデュアルモードになるとみている。「消費者からすれば、どのワイヤレス給電技術が採用されていようと関係ない。ワイヤレス給電をきちんと利用できれば、それでいいのである」(同氏)。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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