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感電しないコンセントと伝説の元クラッカーフリースケール開発者会議(FTF)レポート(3)(1/2 ページ)

今回は、「FTF 2015」の基調講演から、感電のおそれのないコンセントと、伝説の元クラッカーの話を紹介する。コンピュータやネットワークなどのセキュリティにおいて、「今後、最も脅威となり続けるものは何か?」と問われた元クラッカー。さて、何と答えたのだろうか。

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大型トレーラーに「インターネットの明日」を詰め込む

 前回に続き、キーノート講演の概要をお伝えする。ここでメイン講演者と司会役を兼任するGregg Lowe氏がいったん退場し、スクリーンの映像はカメラからのものに切り換わった。カメラは、Freescaleが運営している販促用大型トレーラー「IoT Truck(IoTトラック)」の内部を映し出した。

 「IoT(Internet of Tomorrow)トラック」とは、Freescaleが販売促進のために開発した移動式のトレーラーである。トレーラーの内部は、IoT関連の製品展示室や研修室などになっている。全米各地のイベントに合わせてトレーラーが移動し、FreescaleのIoT関連製品を主にアピールする。FTFでも、会場ホテル横の大通りに許可を得て駐車し、FTFの来場者が自由に内部を見学できるようにしていた。

 このキーノート講演では、その「IoTトラック」の一部を紹介してくれた。ガイド役はFreescaleでTechnology Strategy Managerを務めるIain Galloway氏である。

photophoto 左=「IoT(Internet of Tomorrow)トラック」の外観 / 右=IoTトラックの内部で説明役をつとめるIain Galloway氏。いずれも2015年6月23日に撮影 (クリックで拡大)

感電の恐れがないコンセントを実演

 電気が身体を流れる「感電」は身近に潜む危険の代表格である。オフィスや住宅に存在する交流電源(日本は100V、米国は120V)のアウトレット(コンセント)は、状況によっては感電事故をもたらす。特に住宅では、幼児やペットなどの感電が心配だ。

 そこで、アウトレットが相手を判断して電気を流すかどうかを決めるコンセントが開発され、市販されている。製品ブランド名は「brio」である。このアウトレットは通常、電気をカットしている。オフ状態が標準である。つまり、感電の危険がない。電気製品のプラグを差し込むと、電気が流れる状態になる。ただし、負荷側の状態をコンセントは監視しており、負荷が人体や動物などの場合は、電気が流れない。

 「bio」コンセントの実物が、IoTトラックの内壁には装着されていた。案内役のGalloway氏はまず、電球とプラグを「bio」コンセントに差し込み、電球が光ることを見せた。続いて、電球だけをプラグから抜いた。そして。Galloway氏は微笑みをたたえながら、左手の人差し指をゆっくりと、プラグの中に差し込んでいった。人差し指がプラグの中で突き当たっても、Galloway氏の微笑みは変わらなかった。コンセントから電気が流れなかったか、あるいは、Galloway氏が痛みに我慢していたか。たぶん前者だろう。

photophotophoto 左=感電の恐れがないコンセント「brio」 / 中央=「brio」にプラグと電球を接続したところ / 右=Galloway氏が電球を外してプラグに人差し指を差し込んだところ。いずれも2015年6月23日に撮影 (クリックで拡大)

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