世界的メーカーを目指し、小型/低消費電力を武器に混戦の電源IC市場に挑む:企業動向 トレックス・セミコンダクター(2/3 ページ)
電源ICメーカーであるトレックス・セミコンダクターは、車載/産業/医療機器といった用途向けビジネスの展開を強化している。世界的な電源ICメーカーへの飛躍を狙い2015年6月から新しい経営体制を敷き、新たな3カ年中期経営計画に挑む。
飛躍を目指し新中期計画
世界的電源ICメーカーへの飛躍を目指す上で、車載/産業/医療機器向け事業の強化は継続する。
このほど策定した2016年3月期からの3カ年中期経営計画では、2018年3月期の達成を掲げる売上高130億円のうち、55%を車載/産業/医療機器向けで売り上げる計画だ。
中期経営計画の達成、強いては世界的電源メーカーというポジションに向け、投資も積極的に行う。2014年の株式上場で得た資金なども含め、戦略投資を2016年3月期に実施する。芝宮氏は「アナログ電源ICメーカーとして最も重要なのが開発人員だ。優れた人材の獲得を積極的に行う。さらにCADなどを含めた開発環境や社内システムの投資も、中長期的視野で先行投資して開発力を強化する」とする。
シェア「2倍、3倍は可能」
ただ、世界的電源ICメーカーへの道のりは遠い。芝宮氏も「世界の電源ICの市場規模は1兆円とされており、当社のシェアは1%未満」とみている。しかし、「上位3〜4社を除けば、各電源ICメーカーのシェアはほんの数%程度。絶対的な強者が存在せず、多くのメーカーが存在している市場であり、われわれがシェアを2倍、3倍と伸ばしていけるチャンスはある」と自信をのぞかせる。
加えて、海外でのビジネス拡大も堅調だ。既に売上高の半分近くは海外売上高が占め、「2015年3月期の地域別売上高では欧州が最も伸びた」と欧米での拡大傾向が顕著。中期経営計画でも、海外に配置するFAEの増員を図るなどし欧米で国内、アジアを上回る成長を実現させる方針。「海外に開発拠点を設置する検討も進めている」(芝宮氏)。
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