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FD-SOIに注力するフランスLeti、エコシステムの構築へIoT機器設計に向けて(1/3 ページ)

フランスのCEA-LetiがFD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)に力を入れている。Letiは、IC設計プラットフォーム「Silicon Impulse」を立ち上げることで、FD-SOIを活用したIoT機器の開発を促進する。

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 欧州にある2つの主要な研究開発センターで2015年6月、年次イベントが開催された。今回は、CEA-Leti(フランス原子力庁の電子情報技術研究所)の「Leti Days 2015」(2015年6月24〜25日、フランスのグルノーブル)とベルギーの研究機関であるIMECの「Imec Technology Forums(ITF)」(2015年6月23〜24日、ベルギーのブリュッセル)の開催日が重なった。

 2つのイベントの開催日が重なったのは、計画的だったわけではない。少なくとも、Letiにはその意図はなかった。Letiのある当局者は、「LetiとIMECは、過去数年間6月の同じ週に年次イベントを開催してきた。LetiのスケジュールをIMECに秘密にしてはいない」と話している。

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グルノーブルに本拠地を構えるLeti

 しかし、Leti DaysとITFの開催日が重なったことで、2つの研究機関の間で高まる競争関係に注目が集まる形になった。LetiとIMECは、エレクトロニクス業界でほぼ同じパートナー企業と提携している。それらのパートナー企業は、LetiとIMECにとって大口契約と政府の補助金の要となっている。

世界各国の企業と提携

 米国のほとんどのエンジニアにとって、欧州の研究機関は謎に包まれた存在だ。一般には、「欧州の企業がEUの資金提供を得るために研究を行う、政府関連のお堅い大規模研究施設」と考えられている。

 だが、これはまったくの誤解だ。

 LetiとIMECはいずれも、EUと地方自治体から補助金の提供を受けているが、世界各国の業界パートナーとも提携している。両研究機関は、研究への資金提供の契約数で成功を測っている。具体的には、Letiの2014年度予算3億2000万ユーロ(約435億円)のうち、1億1100万ユーロ(約150億円)は業界パートナーから提供された資金である。

 Letiは、CEA(フランス原子力庁)が必要とするエレクトロニクス技術の研究施設として、1967年に設立された。ナノテクノロジーと同技術の活用に真摯(しんし)に取り組み、大企業、中小企業、新興企業などさまざまな業界パートナーと提携して、その使命を果たしている。Letiは、「Letiは、新たな市場や競争的なポジションの獲得を支援する」をマーケティング戦略のうたい文句に掲げている。

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